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続き 「ダークナイト ライジング」 in LG IMAX シアター [映画]

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前回に引き続きLG IMAXシアターの話。

この記事を書くにあたってようやく本作の予告編を観たのだが、うん、まあ当たり前なのだが全く持って別物である。予告編が全てシネスコで統一されているという事もあるが同じ映画を見ているとはとても思えない。ソフト化にあたっては恐らく前作同様IMAX部分はビスタで収録されるのだろうが、一体どの様にトリミングされるのか、まあ109へ観に行けば分かるのだろうがアベンジャーズとプロメテウスもあるので3作は流石に厳しいか。
それにしてもスクリーンが大きいというのは理屈ぬきで気持ちのいいモノである。天保山の時もそうだったが、「視界に収まりきらない故に翻弄される気持ちよさ」というのはIMAXシアターならではの楽しみだろう。本作での冒頭の航空機襲撃シーンやゴッサムシティの遠景爆破シーンなどカメラが動かないシーンにおいては画面内の情報量が膨大になるため、文字通り翻弄されてしまうのである。まあ、そのため一回の観賞では全てを把握できないという難点もあるが、それも贅沢な悩みか。

しかし、世界最大のスクリーンを誇る本館ではあるが少々気になる点も。冒頭の航空機襲撃シーンでは舞台が空中であるため引きのショットでは当然空が多く映ることになる。つまり雲が多く映るため画面に白い部分が多くなりスクリーンの生地が見えてしまうことになるのだが、何やら染みのような汚れのようなモノが・・・。アレッ、もしかしてこれくたびれてる!?

もしかしてと言ったのは判別が難しかったからなのだが、何といえばいいのだろうか、全体にグレインみたいな感じのフィルターがかかっている様なとでもいえば良いのか。大半のシーンでは全く分からないのだが白い部分が多くなると良く分かる程度に見える程であり、中央の部分に関しては汚れなのか染みなのかくたびれているのか又は繊維の粗なのか、判別が難しいもののスクリーンの端の方などは明らかにくたびれているのが分かるのである。まあ上映時間166分の内のホンの何分か程度なので気にする事でもないのだろうが、これもスクリーンに対する距離が短いIMAX故としか言いようが無い。これを以ってして「LG IMAXは駄目だ!」と騒ぐほどではないが、鮮やかな映像になればなる程気になってしまうのも事実である。一応意見としてメールしておいたほうが良いのだろうか。本館が建てられてから何年が経過しているかは分からないが仮に交換するとしてもこのサイズだと一体いくらするのだろうか。全く検討が付かない。

また今回、ライジングと一緒に「HUBBLE 3D」も上映されていたのでついでに2回程観て来たのだがやはりライジングのようなその場にいるような現実感は感じられず(宇宙だからか)。スクリーンが大きい分天保山で観た時よりも圧倒的に迫力はあるのだが、IMAX以外でのカメラで撮影された映像も結構あるのでそのせいでもあるだろう。そして意外だったのがBD(2D)で観たときに比べ明らかに画面のレイアウトが変わっているという事。特に船外での活動シーンではカメラが定点という事もあり3Dの変換が非常によく出来ているため、所謂「飛び出す絵本」の切り絵的な違和感が全く無く2D版とは全くの別物になっているのである。これはうれしい誤算だった。特に2回目の発射後の船外修理シーンで画面一杯に宇宙服を着た飛行士が映るところの立体感は凄まじいの一言。視界が広くなった分立体感は天保山に比べて圧倒的に上がっているのが良く分かる。あと、国内のIMAX DIGITAL 3Dの様に首を傾けてもクロストークが発生することも無く、文字通りスクリーンが視界全体に広がっているため画面全体を見渡しながら立体感を楽しむというような事もでき、本当に素晴らしい体験だった。

音響についてはスピーカーが悲鳴を上げるようなことはなかったものの、ライジングにおけるバットマンのメインテーマである金管のロングトーンの和音の部分(屋上のバットを俯瞰で撮る場面)でのみ天井あたりで多少震えがあった程度で基本的には問題はないかと。低音に関しては109同様良く鳴っており「バット」の離陸シーンやHUBBLEでの発射シーンとブラックホール突入はこれだけで元がとれるほど(言い過ぎ)。

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LG IMAXシアターではネットでのチケット予約が可能だったので、というか世界中から観光客がくるためライジングに関しては予約しておかないと良い席で観賞するのは不可能だったので必ず観る分だけを予約したのだが、19日15:00と20日15:00、21日15:00と22日18:15の計4回。席はF29、J33、J30、G32。HUBBLEは20日の11:00と13:00の回が運良くスケジュールに入っていたので計2回。正直HUBBLEは観れるかどうか分からなかったのだが本当に運が良かった。

座席に関してだがF・G・Jの中央に座ってみての感想としてはF・Gが少々見上げる形になるのでH・Jが最も観やすい形になると思う。少々見上げるといっても首が疲れるようなことも無かったためより迫力を求めるならF・Gでも良いかもしれない。Jだと後ろ過ぎないかと思われるかもしれないが、スクリーンがでかすぎるので後ろに座ったからといってスクリーンが小さく見えてしまうような事は先ず無いのでご安心を。それと30・31番辺りの中央の席に対して神経質にならなくても27-34の範囲ならスクリーンの中心は気にならないのでご参考に。
公式サイトの座席図はこちら ※PDF閲覧注意

それと、HUBBLEに関してだが恐らく教材としても見られているのだろう。私が観た2回とも小学生の団体が観に来ていたため、小学生のクラスに混じって観賞するという稀有な体験をする事になったのだが、予想通り3Dが強調される場面になると手を伸ばしまくる小学生なのであった。しかしながら小学生の内からこんな体験が出来るとは全く羨ましい限りである。因みにライジングの客層は20代以上が大半で私にとっては初の異国映画館体験だったのだが、内容がシリアスだったせいもあり笑いがそれほど起きなかったのが残念だったが、笑いのポイントは殆ど一緒であった。印象的だったのが終盤のとあるキャラの死ぬシーンとキリアン・マーフィのドヤ顔判決シーンなのだが、後者に関しては隣に座っていた女性がスタッフロールを観て「スケアクロウ(笑)。」と笑っていたのが、やはり前作に続いて本作でもキリアン・マーフィは面白キャラとして認識されているんだなーとしみじみ。

さて、今回15万円近くかけて観に行った「ダークナイト ライジング」だが、シーン単体では燃えるような展開はいくつもあったのだが全体としてみると正直残念な印象は拭えない。ブレイクやミランダの配役における監督の気持ちも分かるがそれ故にノーランの内輪的な雰囲気が大分漂ってしまっているし、人物が増えた分散漫になってしまったのも事実である。書き出したらキリがないので控えるが個人的に一番の不満は「ダークナイト」後から「ライジング」前の市民の心情が全く描かれていないという一点に尽きる。これがあっただけでも大分変わったとおもうのだが。

ではわざわざ遠出してまで観に行って後悔したのかというと全くそんな事はない。寧ろライジングを観るためでもまた行きたいくらいである。LG IMAXにはそれだけの価値が十二分にある。というより正直ライジングに関しては1回目の上映の最後足場が迫り上がる場面で泣いてしまった位なので、嫌いではない(IMAX版に関しては)。ともあれノーラン含めスタッフ面々、特にまたもやノーランに難題を吹っかけられたであろうクリス・コーボルトと8kでの作業が前作よりも更に増えたダブル・ネガティブのスタッフは本当にお疲れ様である。

LG IMAXにおいて本作がいつまで上映されているかは分からないが、この記事を読んで少しでも行きたいと思ったならば是非とも行ってみてほしいかと。唯一無二とは正にこの事。その形態故に「LIEMAX」などと揶揄される国内のIMAX DIGITALだが、LG IMAXを体験すると偽者どうこう以前に最早比較の仕様しようがない程全くの別物である事が良く分かる。また前回も書いたがドキュメンタリー以外での商業映画で72分ものIMAX映像のある作品が果たして今後どれだけ出てくるのかという事もある。と言えど流石に金額がアレなので軽々しくオススメは出来ないが(どっちだ)。

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