なぜ『ダンケルク』を観るために海外のIMAXシアターへ行くのか。 [映画]
前回『ダンケルク』IMAX 70mm上映に際して。
本当は一つの記事にするつもりだったけど書きたい事が増え過ぎて長くなってしまう事を考え、取り合えず前回のを前置きとして分割投稿。
さて、『ダークナイト ライジング(2012)』以来ここでは何度かIMAXについての記事を書いているけど、お陰様でどうやら各所で好評を頂いていたらしい。と言っても最近は更新をサボり気味で以前に書いた記事も今となっては内容も結構古くなってしまったので、今回は最近のIMAX事情も踏まえて『ダンケルク』について書いていきたいと思う。
2017年7月21日。クリストファー・ノーラン監督最新作の『ダンケルク』が全世界で公開される。今作も御多分に漏れずIMAXカメラで撮影が行われており、今回は何と全編65mmフィルムによる撮影となっている。何とも贅沢な仕様だ。65mm撮影や70mm上映といえば往年のハリウッド映画における花形であり『アラビアのロレンス』に代表される大作の代名詞とも言える存在だった。35mmの倍の横幅となる65mm(70mm)フィルムは撮影時の手間は勿論の事、何よりコストがかかる。予算が潤沢に与えられた一部の作品でしか使うことの許されない「大作の証」だった。
『ダンケルク』IMAXカメラによる撮影風景
70mmから35mm、そしてデジタルへと移行するにつれフィルム撮影及び上映は衰退の一途を辿り、今では映画業界におけるフィルムはメジャーな存在からマイナーへとなってしまった。だが数は少なくなっても、いや数が少なくなったからこそフィルムの価値が再評価され、近年ではフィルム撮影及び上映作品が増え始めるという現象が起きている。そしてそれはIMAXも例外ではない。『ダークナイト(2008)』に始まる映画業界におけるIMAXルネッサンスとでも言うべきパラダイムシフト。娯楽の多様化によって映画館で映画を観るという行為が数ある娯楽の一つにカテゴライズされてしまった今、70mmという存在によって映画館のスクリーンが再び威光を取り戻す流れが生まれようとしている。
IMAXという規格は今では多様な形態を生み出している。昔ながらの65mm撮影のIMAXカメラ、IMAX 70mm上映、2008年に誕生したIMAXデジタル上映、IMAXデジタルカメラ、IMAXデジタル3Dカメラ、IMAXレーザー。映画制作及び上映においてデジタル規格が大多数を占めている現在でも65mm(70mm)フィルムを使用するIMAX規格はその威光を放ち続けている。何故か。それはIMAX 70mmが他とは一線を画すという事を観客も認識しているからである。単に制作者のエゴではない。それを観たいと望む人がいるのである。
だから65mmという大判のフィルムを使用した3分間しか撮影できないIMAXカメラは今日まで映画制作の現場で使われ続けている。重量約25kgで機動性が最低な上に大判のフィルムを回転させる事によって発生する騒音で音声の収録が困難、というおよそ映画撮影に向く機材とは言えないIMAXカメラが。
そしてその65mmフィルムによるIMAXカメラで撮影された映像が如何なるものかという事は最早説明するまでも無いだろう。と、書いてしまうと一見さんに不親切なので今回この記事で初めて知る、あるいはIMAXという言葉を何となく知っている人に向けて簡単な説明をしておきたいと思う。
まず前述したようにIMAXとは規格の一つである。今では多様化しているけどIMAXは大きく二つに分ける事が出来る。一つは撮影、一つは上映。
先ず撮影のIMAXとは先に挙げた「IMAXカメラ」である。
IMAXカメラは基本的にフィルムを使用する。
一般的な映画では35mmフィルムを使用するがIMAXカメラでは35mmの倍の横幅を持つ65mmフィルムを使用する。35mmではフィルムを「縦」に使用するのに対してIMAXカメラに使用する65mmはフィルムを「横」に使用する仕組みを持っている。下の画像で右から35mm、中央が通常の65mm(上映用は70mm)となる「縦」使用版。左がIMAXカメラ用となる65mmの「横」使用版。
一般的な35mmフィルムに比べてIMAX用の65mmフィルムが如何に大きいか分かると思う。IMAX用のフィルムは35mmの約8倍の面積を持っているので35mmよりも高画質な映像で撮影する事が可能となる。
では65mmフィルムで撮影するIMAXカメラはどれ位高画質なのか。画質という言葉は現在では主にデジタルを基本として使われているのでピクセルや画素の概念の無いフィルムについて具体的な数値として換算する事は出来ない。なのでここでは実際にIMAXカメラで撮影された映像を見てもらう事にする。
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上から『インターステラー』『スター・ウォーズ フォースの覚醒』『ミッション:インポッシブル ゴーストプロトコル』『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』。
65mmによるIMAXカメラで撮影された映像は兎に角色が深い。特に緑色が綺麗に出る傾向があり、上の画像では緑は少ないが森林を撮影した場合の色域の豊かさは本当に素晴らしい。また鮮明でありながらもギラツキが全く無いので全体的に柔らかい印象がありながらも鮮明さを保つという不思議な映像に仕上がる。黒の落ち込みも不自然さが無く暗いシーンでも黒を意味のある色として表現する事が可能となる。65mmによるIMAXカメラで撮影したフィルムのネガの画質は一般に18K~12K程度と言われているが、4K程度と言われる35mmフィルムとの画質の差は数値を見るより明らかだろう。最近では6Kや8K撮影の作品も増えてきているが、画質以前にデジタルとフィルムでは映像の質感の方向性が異なる。
ここである点に気付く人もいるだろう。そう、アスペクト比の違いである。35mmによる撮影は基本的にアナモルフィック(アナモフィック)・レンズを使用した左右を圧縮しての撮影となるので最終的な映像は2.39:1の比率になる。多くの映画が採用している一般的にシネスコと呼ばれる比率である。対してIMAXカメラによる65mmの映像は1.43:1という比率になる。これはブラウン管テレビに多く採用されていた4:3という正方形に近い比率である。IMAXカメラではアナモレンズを使用しないので最終的な映像も1.43:1になる。しかし、現代の映画館の大半は1.85:1の所謂ビスタサイズか2.39:1のシネスコサイズのスクリーンにしか対応していない。では1.43:1というIMAXカメラの映像はそれらのスクリーンではどうなるのか。
はっきり言うと「上下が切られる」。
ここで上映規格としてのIMAXが出てくる。IMAXカメラがドキュメンタリー作品以外で初めて使用された『ダークナイト(2008)』だが、公開当時は日本でIMAXによる上映は無く大半の人は上下の映像が切られた2.39:1の映像を観ていたのである。
左が一般的なスクリーンの2.39:1で右がIMAXの1.43:1。当時の一般的なスクリーンでは映像のおよそ40%がカットされて上映されていた。
2009年に日本にIMAXデジタルシアターが登場した事によって日本でも多くのIMAX作品が上映される様になったが、それでもIMAXカメラで撮影されたオリジナルの1.43:1という比率の映像を観る事は出来なかった。IMAXデジタルシアターのスクリーンは1.90:1という比率だったからである。
『ダークナイト』と同じくIMAXカメラで撮影された『トランスフォーマー リベンジ(2009)』は当時日本で初めて公開されたIMAXデジタル上映作品だったが、下の画像の様に対応していない部分の映像についてはカットされて上映されていた。
左がIMAXデジタルシアターの1.90:1で右がIMAXの1.43:1。2.39:1よりも縦に大きくなったがそれでもオリジナルのIMAXよりも狭かった。IMAXデジタル上映によるこの現象はしばらく続いたが、2015年にIMAX次世代レーザーが登場する事によってようやく日本でもIMAXオリジナルの1.43:1という比率で上映する事が可能となった。
御存知109シネマズ大阪エキスポシティのIMAXスクリーンである。
18m×26mという日本でも最大級となる1.43:1のIMAXスクリーン。2015年に公開された『スター・ウォーズ フォースの覚醒』は先のIMAXカメラによって撮影され、エキスポシティのIMAXスクリーンでは1.43:1の映像がカットされずにそのまま上映されている。
現在日本でIMAX次世代レーザーを備える映画館はエキスポシティのみだが2019年には東京の池袋にも18m×26mと同規模のスクリーンを備えるIMAXデジタルシアターが誕生する予定となっている。『フォースの覚醒』公開後も『バットマン vs スーパーマン(2016)』や『ゴーストバスターズ(2016)』といった1.43:1に対応した作品が日本でも公開される様になり、今では日本の海外に対するIMAX格差は一応解消される事となった。因みに『ダークナイト』以降もIMAXカメラによる撮影が行われた作品が幾つかあるのでここで一覧として並べてみる。
撮影と上映の両方がIMAX用のフィルム(65mm/70mm)によって行われた作品。下記の作品は全て1.43:1に対応している。
・『ダークナイト』(2008)
・『トランスフォーマー リベンジ』(2009)
・『ミッション:インポッシブル ゴーストプロトコル』(2011)
・『ダークナイト ライジング』(2012)
・『ハンガーゲーム2』(2013)
・『スタートレック イントゥダークネス』(2013)
・『インターステラー』(2014)
・『スター・ウォーズ フォースの覚醒』(2015)
・『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』(2016)
IMAXデジタルカメラで撮影されIMAXデジタルシアタースクリーン専用の1.90:1で上映された作品。
・『トランスフォーマー ロストエイジ』(2014)
・『フライト・クルー』(2016)
・『キャプテン・アメリカ/シビル・ウォー』(2016)
・『ハドソン川の奇跡』(2016)
・『トランスフォーマー 最後の騎士王』(2017)
IMAXカメラで撮影されていないがIMAX上映専用として映像が拡張する作品も存在する。以下は一般的なデジタルシネマカメラで撮影されIMAXデジタルシアタースクリーン専用の1.90:1で限定上映された作品。(一部1.43:1、1.78:1、2.00:1)
・『アバター』(2009)
・『トロン: レガシー』(2010)
・『ドラゴンゲート 空飛ぶ剣と幻の秘宝』(2011)
・『アンダーワールド 覚醒』(2012)
・『タイタニック』(2012)
・『プロメテウス』(2012)
・『アメイジング・スパイダーマン』(2012)
・『スカイフォール』(2012)
・『ホビット 思いがけない冒険』(2012)
・『オブリビオン』(2013)
・『ホビット 竜に奪われた王国』(2013)
・『アイ・フランケンシュタイン』(2014)
・『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(2014)
・『ホビット 決戦のゆくえ』(2014)
・『セブンス・サン 魔使いの弟子』(2014)
・『トゥモローランド』(2015)
・『ゴーストバスターズ』(2016)
・『ドクター・ストレンジ』(2016)
・『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』(2016)
・『美女と野獣』(2017)
・『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー: リミックス』(2017)
・『パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊』(2017)
IMAXカメラにも色々種類があり最初に挙げた65mmフィルムを使用するタイプでも5種類くらい存在するのだが、ここにIMAXデジタルカメラも含めると流石に説明しきれないので今回は割愛する。また、上映規格としては近年普及し始めた立体音響の一つとしてIMAXにも12.1chという上映形態が誕生している。ドルビーアトモスやAuro11.1の様に前後左右だけでなく天井にもスピーカーを備える事によって上下の音響を表現するというものである。これは現在エキスポIMAX、TOHOシネマズ新宿、109シネマズ二子玉川、TOHOシネマズららぽーと横浜などが対応している。基本的にドルビーアトモス対応作品はIMAX 12.1chにも対応している事が多い。
先にIMAX次世代レーザー登場によって「IMAX格差は一応解消される」としたが、何故一応なのか。それは現在の日本ではIMAX 70mm上映が殆ど行われていないからである。IMAXとは本来65mmフィルムによるIMAXカメラで撮影した1.43:1の映像をIMAX 70mm上映用の1.43:1のスクリーンで上映する規格だが、かつては日本にもそれらのIMAX 70mm上映用のIMAXシアターが存在していた。
・サントリーミュージアム アイマックスシアター(20m×28m)
・新宿高島屋タイムズスクエア アイマックスシアター(18m×25m)
・メルシャン品川 アイマックスシアター(16m×22m)
上記は一例だが『ダークナイト』が公開される以前からこれらのIMAXシアターではIMAX 70mmによる上映が行われており、IMAXカメラで撮影されていない作品でも「IMAX DMR(デジタル・メディア・リマスタリング)」という変換作業を経る事によってIMAX 70mm作品として上映されていた。またIMAXカメラで撮影した45分の短編としてドキュメンタリー作品等が上映されてもいたが、先に挙げた様な『ダークナイト』に代表される65mmのIMAXカメラで撮影した映画作品は日本では基本的にIMAX 70mm上映が行われていなかった。
IMAX次世代レーザープロジェクター
2015年に登場したIMAX次世代レーザーはIMAX 70mmと同じ1.43:1のサイズだがあくまで代替手段としてのデジタル上映でしかない。とはいっても次世代IMAXの品質が悪いワケではない。従来のフィルム上映にはない高輝度、高コントラスト、色域の拡張、黒レベルの拡張、3D上映時の輝度改善などデジタル上映ならではの利点も多く、何より従来のIMAX 70mmよりも上映にかかるコストが大幅に削減されている。HDD一つで上映可能だからだ。IMAX次世代レーザー対応館は現在およそ25館。2019年の池袋も含め今後も増え続けているだろう。
しかし、フィルム撮影とデジタル撮影の映像がそれぞれ異なる様にフィルム上映とデジタル上映の映像もそれぞれ異なる。ドルビーシネマに代表されるハイエンドな上映規格によってデジタル上映は現在もその質を上げ続けているがそれはあくまでデジタル上映の質の追及という話である。フィルムの質感の再現という方向を向いていない以上フィルムの質感はフィルムにしか表現できない。安価で取り回しの利くデジタル撮影が大半となっている現在でも未だに一部の映画監督がフィルムによって撮影を続けているのは懐古主義やロマンに浸っているからではない。映像表現としてのフィルムの質の高さは今なお衰えていないからである。寧ろデジタルが普及した今だからこそ見直されていると言うべきか。何故なら現在もデジタルで撮影されながらも70mmフィルムで上映されている作品が新作として公開されているからである。
・『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』(2016)
・『キングコング 髑髏島の巨神』(2017)
・『ワンダーウーマン』(2017)
近年で言えばこの三作は何れもデジタル撮影を主体としながら一部の劇場では70mmフィルムによる上映が行われている。デジタルで撮影した映像をフィルムで上映する意味はあるのか。結論から言えば当然ある。そしてそれは極論を言えば画質を求めての話ではない。映像の質感としての話である。
『キングコング 髑髏島の巨神』70mm上映プリント
『ワンダーウーマン』70mm上映プリント
深みのある黒、優れた諧調表現、暖色系のフィルムに伴う映像の柔らかさ。フィルムは撮影、上映共に時代性を表現するという点で非常に優れている。上記の三作品はどれも特定の時代を描いたものであり、そこから考えれば何故デジタルで撮影しながら70mmフィルムで上映したのかが分かると思う。因みに『ワンダー・ウーマン』は35mmフィルムでも撮影が行われている。
『ダンケルク』は第二次世界大戦の物語である。
そして本作は世界初の全編65mm+IMAXカメラ撮影作品でもある。当然IMAXカメラも65mmフィルム仕様だ。IMAXカメラではない通常の65mm撮影はアスペクト比が2.20:1となるので本作は2.20:1と1.43:1の映像が混合する形をとる。
左がIMAXカメラ撮影の1.43:1、右が通常の65mm撮影の2.20:1。
本作はIMAXカメラ撮影されたシーンが80分程度あるとの事だがエキスポIMAXならば1.43.1の映像も問題なくそのまま観ることが出来る。スクリーンサイズも18m×26mと全く申し分の無い大きさで何よりIMAXレーザーによる4K上映が可能だ。IMAX 70mmと遜色無い画質で観れるだろう。ただ、そこに映写される映像はIMAX 70mm上映の質感とは別物である。
もともとIMAXレーザーはデジタル上映としての表現に特化したプロジェクターなので前述したようなフィルムの質感とは真逆の性質を持っている。だから第二次世界大戦という時代が焼き付けられたた65mmフィルムの映像がそのままIMAXレーザーから投影されるワケではない。どこまでいってもそれはデジタルの質感である。と書いてしまうとデジタル全否定みたいになってしまうが、大事なのは作品に合った上映形態か否か、という点である。
クエンティン・タランティーノは往年の70mm上映スタイルを再現するために『ヘイトフル・エイト(2015)』をウルトラパナビジョン70(2.76:1)で撮影しおよそ100館にもなる70mm上映館を復活させた。
豪華な装飾が施された映画館で開場を待ちながら配布されるプログラムを貰い、スクリーンの幕が上がり、プロローグの楽曲が鳴り響く。昔ながらの造りなので今のように綿密に設計された映画館の音響の様には鳴らないしフィルム上映なので黒も浮き気味になる。総合的なパフォーマンスで言えばデジタル上映の方が勝っていた筈である。だが、そこで観た『ヘイトフル・エイト』は間違いなく映画だった。映画館で観る映画だった。懐古やロマンと言われればそれまでだが、そこには数多ある「消費される映画館」がどうあがいても真似出来ない魅力が溢れていた。
『ダンケルク』は恐らくそういった魅力とは別の作品なのだろう。タイムサスペンスという活劇手法、ノーラン史上最短となる106分という上映時間も含めてIMAX 70mm上映で観た事がどの様な作用をもたらすかは現時点では全く想像がつかない。何せ本作はIMAXカメラで撮影された4K制作作品としては世界初となるIMAX 70mmとIMAXレーザーの同時上映になるからだ。先にも書いたが結局の所どこで観るかはその映画に何を求めているかという事に尽きる。
『ダンケルク』をIMAX 70mmで観るハードルは高い。日本で『ダンケルク』のIMAX 70mm上映を行うことは未来永劫絶対的に不可能なので必然的に海外へと足を伸ばす必要が出てくるからだ。前回の記事にも書いたが近隣ではオーストラリアはメルボルン、タイはバンコクの二つしかない。後はアメリカ、カナダ、イギリスとなる。移動時間は十時間を優に超えるだろう。何より費用がかかる。世界最大の29.42m×35.73mという大きさを誇るシドニーIMAXシアターが閉館してしまった今となっては、映画を観るためのコストパフォーマンスとしては最低である。だがそれでもなおIMAX 70mmを求めて海外へ行くのであればそこには何かがあるのかもしれない。
なんだか毎年同じ事を書いている気がする・・・。
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・[2017年~2019年] 最近のIMAX事情
なぜ『インターステラー』を観るために海外のIMAXシアターへ行くのか。
本当は一つの記事にするつもりだったけど書きたい事が増え過ぎて長くなってしまう事を考え、取り合えず前回のを前置きとして分割投稿。
さて、『ダークナイト ライジング(2012)』以来ここでは何度かIMAXについての記事を書いているけど、お陰様でどうやら各所で好評を頂いていたらしい。と言っても最近は更新をサボり気味で以前に書いた記事も今となっては内容も結構古くなってしまったので、今回は最近のIMAX事情も踏まえて『ダンケルク』について書いていきたいと思う。
2017年7月21日。クリストファー・ノーラン監督最新作の『ダンケルク』が全世界で公開される。今作も御多分に漏れずIMAXカメラで撮影が行われており、今回は何と全編65mmフィルムによる撮影となっている。何とも贅沢な仕様だ。65mm撮影や70mm上映といえば往年のハリウッド映画における花形であり『アラビアのロレンス』に代表される大作の代名詞とも言える存在だった。35mmの倍の横幅となる65mm(70mm)フィルムは撮影時の手間は勿論の事、何よりコストがかかる。予算が潤沢に与えられた一部の作品でしか使うことの許されない「大作の証」だった。
『ダンケルク』IMAXカメラによる撮影風景
70mmから35mm、そしてデジタルへと移行するにつれフィルム撮影及び上映は衰退の一途を辿り、今では映画業界におけるフィルムはメジャーな存在からマイナーへとなってしまった。だが数は少なくなっても、いや数が少なくなったからこそフィルムの価値が再評価され、近年ではフィルム撮影及び上映作品が増え始めるという現象が起きている。そしてそれはIMAXも例外ではない。『ダークナイト(2008)』に始まる映画業界におけるIMAXルネッサンスとでも言うべきパラダイムシフト。娯楽の多様化によって映画館で映画を観るという行為が数ある娯楽の一つにカテゴライズされてしまった今、70mmという存在によって映画館のスクリーンが再び威光を取り戻す流れが生まれようとしている。
IMAXという規格は今では多様な形態を生み出している。昔ながらの65mm撮影のIMAXカメラ、IMAX 70mm上映、2008年に誕生したIMAXデジタル上映、IMAXデジタルカメラ、IMAXデジタル3Dカメラ、IMAXレーザー。映画制作及び上映においてデジタル規格が大多数を占めている現在でも65mm(70mm)フィルムを使用するIMAX規格はその威光を放ち続けている。何故か。それはIMAX 70mmが他とは一線を画すという事を観客も認識しているからである。単に制作者のエゴではない。それを観たいと望む人がいるのである。
だから65mmという大判のフィルムを使用した3分間しか撮影できないIMAXカメラは今日まで映画制作の現場で使われ続けている。重量約25kgで機動性が最低な上に大判のフィルムを回転させる事によって発生する騒音で音声の収録が困難、というおよそ映画撮影に向く機材とは言えないIMAXカメラが。
そしてその65mmフィルムによるIMAXカメラで撮影された映像が如何なるものかという事は最早説明するまでも無いだろう。と、書いてしまうと一見さんに不親切なので今回この記事で初めて知る、あるいはIMAXという言葉を何となく知っている人に向けて簡単な説明をしておきたいと思う。
まず前述したようにIMAXとは規格の一つである。今では多様化しているけどIMAXは大きく二つに分ける事が出来る。一つは撮影、一つは上映。
先ず撮影のIMAXとは先に挙げた「IMAXカメラ」である。
IMAXカメラは基本的にフィルムを使用する。
一般的な映画では35mmフィルムを使用するがIMAXカメラでは35mmの倍の横幅を持つ65mmフィルムを使用する。35mmではフィルムを「縦」に使用するのに対してIMAXカメラに使用する65mmはフィルムを「横」に使用する仕組みを持っている。下の画像で右から35mm、中央が通常の65mm(上映用は70mm)となる「縦」使用版。左がIMAXカメラ用となる65mmの「横」使用版。
一般的な35mmフィルムに比べてIMAX用の65mmフィルムが如何に大きいか分かると思う。IMAX用のフィルムは35mmの約8倍の面積を持っているので35mmよりも高画質な映像で撮影する事が可能となる。
では65mmフィルムで撮影するIMAXカメラはどれ位高画質なのか。画質という言葉は現在では主にデジタルを基本として使われているのでピクセルや画素の概念の無いフィルムについて具体的な数値として換算する事は出来ない。なのでここでは実際にIMAXカメラで撮影された映像を見てもらう事にする。
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上から『インターステラー』『スター・ウォーズ フォースの覚醒』『ミッション:インポッシブル ゴーストプロトコル』『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』。
65mmによるIMAXカメラで撮影された映像は兎に角色が深い。特に緑色が綺麗に出る傾向があり、上の画像では緑は少ないが森林を撮影した場合の色域の豊かさは本当に素晴らしい。また鮮明でありながらもギラツキが全く無いので全体的に柔らかい印象がありながらも鮮明さを保つという不思議な映像に仕上がる。黒の落ち込みも不自然さが無く暗いシーンでも黒を意味のある色として表現する事が可能となる。65mmによるIMAXカメラで撮影したフィルムのネガの画質は一般に18K~12K程度と言われているが、4K程度と言われる35mmフィルムとの画質の差は数値を見るより明らかだろう。最近では6Kや8K撮影の作品も増えてきているが、画質以前にデジタルとフィルムでは映像の質感の方向性が異なる。
ここである点に気付く人もいるだろう。そう、アスペクト比の違いである。35mmによる撮影は基本的にアナモルフィック(アナモフィック)・レンズを使用した左右を圧縮しての撮影となるので最終的な映像は2.39:1の比率になる。多くの映画が採用している一般的にシネスコと呼ばれる比率である。対してIMAXカメラによる65mmの映像は1.43:1という比率になる。これはブラウン管テレビに多く採用されていた4:3という正方形に近い比率である。IMAXカメラではアナモレンズを使用しないので最終的な映像も1.43:1になる。しかし、現代の映画館の大半は1.85:1の所謂ビスタサイズか2.39:1のシネスコサイズのスクリーンにしか対応していない。では1.43:1というIMAXカメラの映像はそれらのスクリーンではどうなるのか。
はっきり言うと「上下が切られる」。
ここで上映規格としてのIMAXが出てくる。IMAXカメラがドキュメンタリー作品以外で初めて使用された『ダークナイト(2008)』だが、公開当時は日本でIMAXによる上映は無く大半の人は上下の映像が切られた2.39:1の映像を観ていたのである。
左が一般的なスクリーンの2.39:1で右がIMAXの1.43:1。当時の一般的なスクリーンでは映像のおよそ40%がカットされて上映されていた。
2009年に日本にIMAXデジタルシアターが登場した事によって日本でも多くのIMAX作品が上映される様になったが、それでもIMAXカメラで撮影されたオリジナルの1.43:1という比率の映像を観る事は出来なかった。IMAXデジタルシアターのスクリーンは1.90:1という比率だったからである。
『ダークナイト』と同じくIMAXカメラで撮影された『トランスフォーマー リベンジ(2009)』は当時日本で初めて公開されたIMAXデジタル上映作品だったが、下の画像の様に対応していない部分の映像についてはカットされて上映されていた。
左がIMAXデジタルシアターの1.90:1で右がIMAXの1.43:1。2.39:1よりも縦に大きくなったがそれでもオリジナルのIMAXよりも狭かった。IMAXデジタル上映によるこの現象はしばらく続いたが、2015年にIMAX次世代レーザーが登場する事によってようやく日本でもIMAXオリジナルの1.43:1という比率で上映する事が可能となった。
御存知109シネマズ大阪エキスポシティのIMAXスクリーンである。
18m×26mという日本でも最大級となる1.43:1のIMAXスクリーン。2015年に公開された『スター・ウォーズ フォースの覚醒』は先のIMAXカメラによって撮影され、エキスポシティのIMAXスクリーンでは1.43:1の映像がカットされずにそのまま上映されている。
現在日本でIMAX次世代レーザーを備える映画館はエキスポシティのみだが2019年には東京の池袋にも18m×26mと同規模のスクリーンを備えるIMAXデジタルシアターが誕生する予定となっている。『フォースの覚醒』公開後も『バットマン vs スーパーマン(2016)』や『ゴーストバスターズ(2016)』といった1.43:1に対応した作品が日本でも公開される様になり、今では日本の海外に対するIMAX格差は一応解消される事となった。因みに『ダークナイト』以降もIMAXカメラによる撮影が行われた作品が幾つかあるのでここで一覧として並べてみる。
撮影と上映の両方がIMAX用のフィルム(65mm/70mm)によって行われた作品。下記の作品は全て1.43:1に対応している。
・『ダークナイト』(2008)
・『トランスフォーマー リベンジ』(2009)
・『ミッション:インポッシブル ゴーストプロトコル』(2011)
・『ダークナイト ライジング』(2012)
・『ハンガーゲーム2』(2013)
・『スタートレック イントゥダークネス』(2013)
・『インターステラー』(2014)
・『スター・ウォーズ フォースの覚醒』(2015)
・『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』(2016)
IMAXデジタルカメラで撮影されIMAXデジタルシアタースクリーン専用の1.90:1で上映された作品。
・『トランスフォーマー ロストエイジ』(2014)
・『フライト・クルー』(2016)
・『キャプテン・アメリカ/シビル・ウォー』(2016)
・『ハドソン川の奇跡』(2016)
・『トランスフォーマー 最後の騎士王』(2017)
IMAXカメラで撮影されていないがIMAX上映専用として映像が拡張する作品も存在する。以下は一般的なデジタルシネマカメラで撮影されIMAXデジタルシアタースクリーン専用の1.90:1で限定上映された作品。(一部1.43:1、1.78:1、2.00:1)
・『アバター』(2009)
・『トロン: レガシー』(2010)
・『ドラゴンゲート 空飛ぶ剣と幻の秘宝』(2011)
・『アンダーワールド 覚醒』(2012)
・『タイタニック』(2012)
・『プロメテウス』(2012)
・『アメイジング・スパイダーマン』(2012)
・『スカイフォール』(2012)
・『ホビット 思いがけない冒険』(2012)
・『オブリビオン』(2013)
・『ホビット 竜に奪われた王国』(2013)
・『アイ・フランケンシュタイン』(2014)
・『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(2014)
・『ホビット 決戦のゆくえ』(2014)
・『セブンス・サン 魔使いの弟子』(2014)
・『トゥモローランド』(2015)
・『ゴーストバスターズ』(2016)
・『ドクター・ストレンジ』(2016)
・『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』(2016)
・『美女と野獣』(2017)
・『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー: リミックス』(2017)
・『パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊』(2017)
IMAXカメラにも色々種類があり最初に挙げた65mmフィルムを使用するタイプでも5種類くらい存在するのだが、ここにIMAXデジタルカメラも含めると流石に説明しきれないので今回は割愛する。また、上映規格としては近年普及し始めた立体音響の一つとしてIMAXにも12.1chという上映形態が誕生している。ドルビーアトモスやAuro11.1の様に前後左右だけでなく天井にもスピーカーを備える事によって上下の音響を表現するというものである。これは現在エキスポIMAX、TOHOシネマズ新宿、109シネマズ二子玉川、TOHOシネマズららぽーと横浜などが対応している。基本的にドルビーアトモス対応作品はIMAX 12.1chにも対応している事が多い。
先にIMAX次世代レーザー登場によって「IMAX格差は一応解消される」としたが、何故一応なのか。それは現在の日本ではIMAX 70mm上映が殆ど行われていないからである。IMAXとは本来65mmフィルムによるIMAXカメラで撮影した1.43:1の映像をIMAX 70mm上映用の1.43:1のスクリーンで上映する規格だが、かつては日本にもそれらのIMAX 70mm上映用のIMAXシアターが存在していた。
・サントリーミュージアム アイマックスシアター(20m×28m)
・新宿高島屋タイムズスクエア アイマックスシアター(18m×25m)
・メルシャン品川 アイマックスシアター(16m×22m)
上記は一例だが『ダークナイト』が公開される以前からこれらのIMAXシアターではIMAX 70mmによる上映が行われており、IMAXカメラで撮影されていない作品でも「IMAX DMR(デジタル・メディア・リマスタリング)」という変換作業を経る事によってIMAX 70mm作品として上映されていた。またIMAXカメラで撮影した45分の短編としてドキュメンタリー作品等が上映されてもいたが、先に挙げた様な『ダークナイト』に代表される65mmのIMAXカメラで撮影した映画作品は日本では基本的にIMAX 70mm上映が行われていなかった。
IMAX次世代レーザープロジェクター
2015年に登場したIMAX次世代レーザーはIMAX 70mmと同じ1.43:1のサイズだがあくまで代替手段としてのデジタル上映でしかない。とはいっても次世代IMAXの品質が悪いワケではない。従来のフィルム上映にはない高輝度、高コントラスト、色域の拡張、黒レベルの拡張、3D上映時の輝度改善などデジタル上映ならではの利点も多く、何より従来のIMAX 70mmよりも上映にかかるコストが大幅に削減されている。HDD一つで上映可能だからだ。IMAX次世代レーザー対応館は現在およそ25館。2019年の池袋も含め今後も増え続けているだろう。
しかし、フィルム撮影とデジタル撮影の映像がそれぞれ異なる様にフィルム上映とデジタル上映の映像もそれぞれ異なる。ドルビーシネマに代表されるハイエンドな上映規格によってデジタル上映は現在もその質を上げ続けているがそれはあくまでデジタル上映の質の追及という話である。フィルムの質感の再現という方向を向いていない以上フィルムの質感はフィルムにしか表現できない。安価で取り回しの利くデジタル撮影が大半となっている現在でも未だに一部の映画監督がフィルムによって撮影を続けているのは懐古主義やロマンに浸っているからではない。映像表現としてのフィルムの質の高さは今なお衰えていないからである。寧ろデジタルが普及した今だからこそ見直されていると言うべきか。何故なら現在もデジタルで撮影されながらも70mmフィルムで上映されている作品が新作として公開されているからである。
・『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』(2016)
・『キングコング 髑髏島の巨神』(2017)
・『ワンダーウーマン』(2017)
近年で言えばこの三作は何れもデジタル撮影を主体としながら一部の劇場では70mmフィルムによる上映が行われている。デジタルで撮影した映像をフィルムで上映する意味はあるのか。結論から言えば当然ある。そしてそれは極論を言えば画質を求めての話ではない。映像の質感としての話である。
『キングコング 髑髏島の巨神』70mm上映プリント
『ワンダーウーマン』70mm上映プリント
深みのある黒、優れた諧調表現、暖色系のフィルムに伴う映像の柔らかさ。フィルムは撮影、上映共に時代性を表現するという点で非常に優れている。上記の三作品はどれも特定の時代を描いたものであり、そこから考えれば何故デジタルで撮影しながら70mmフィルムで上映したのかが分かると思う。因みに『ワンダー・ウーマン』は35mmフィルムでも撮影が行われている。
『ダンケルク』は第二次世界大戦の物語である。
そして本作は世界初の全編65mm+IMAXカメラ撮影作品でもある。当然IMAXカメラも65mmフィルム仕様だ。IMAXカメラではない通常の65mm撮影はアスペクト比が2.20:1となるので本作は2.20:1と1.43:1の映像が混合する形をとる。
左がIMAXカメラ撮影の1.43:1、右が通常の65mm撮影の2.20:1。
本作はIMAXカメラ撮影されたシーンが80分程度あるとの事だがエキスポIMAXならば1.43.1の映像も問題なくそのまま観ることが出来る。スクリーンサイズも18m×26mと全く申し分の無い大きさで何よりIMAXレーザーによる4K上映が可能だ。IMAX 70mmと遜色無い画質で観れるだろう。ただ、そこに映写される映像はIMAX 70mm上映の質感とは別物である。
もともとIMAXレーザーはデジタル上映としての表現に特化したプロジェクターなので前述したようなフィルムの質感とは真逆の性質を持っている。だから第二次世界大戦という時代が焼き付けられたた65mmフィルムの映像がそのままIMAXレーザーから投影されるワケではない。どこまでいってもそれはデジタルの質感である。と書いてしまうとデジタル全否定みたいになってしまうが、大事なのは作品に合った上映形態か否か、という点である。
クエンティン・タランティーノは往年の70mm上映スタイルを再現するために『ヘイトフル・エイト(2015)』をウルトラパナビジョン70(2.76:1)で撮影しおよそ100館にもなる70mm上映館を復活させた。
豪華な装飾が施された映画館で開場を待ちながら配布されるプログラムを貰い、スクリーンの幕が上がり、プロローグの楽曲が鳴り響く。昔ながらの造りなので今のように綿密に設計された映画館の音響の様には鳴らないしフィルム上映なので黒も浮き気味になる。総合的なパフォーマンスで言えばデジタル上映の方が勝っていた筈である。だが、そこで観た『ヘイトフル・エイト』は間違いなく映画だった。映画館で観る映画だった。懐古やロマンと言われればそれまでだが、そこには数多ある「消費される映画館」がどうあがいても真似出来ない魅力が溢れていた。
『ダンケルク』は恐らくそういった魅力とは別の作品なのだろう。タイムサスペンスという活劇手法、ノーラン史上最短となる106分という上映時間も含めてIMAX 70mm上映で観た事がどの様な作用をもたらすかは現時点では全く想像がつかない。何せ本作はIMAXカメラで撮影された4K制作作品としては世界初となるIMAX 70mmとIMAXレーザーの同時上映になるからだ。先にも書いたが結局の所どこで観るかはその映画に何を求めているかという事に尽きる。
『ダンケルク』をIMAX 70mmで観るハードルは高い。日本で『ダンケルク』のIMAX 70mm上映を行うことは未来永劫絶対的に不可能なので必然的に海外へと足を伸ばす必要が出てくるからだ。前回の記事にも書いたが近隣ではオーストラリアはメルボルン、タイはバンコクの二つしかない。後はアメリカ、カナダ、イギリスとなる。移動時間は十時間を優に超えるだろう。何より費用がかかる。世界最大の29.42m×35.73mという大きさを誇るシドニーIMAXシアターが閉館してしまった今となっては、映画を観るためのコストパフォーマンスとしては最低である。だがそれでもなおIMAX 70mmを求めて海外へ行くのであればそこには何かがあるのかもしれない。
なんだか毎年同じ事を書いている気がする・・・。
IMAX関連記事
・[2017年~2019年] 最近のIMAX事情
なぜ『インターステラー』を観るために海外のIMAXシアターへ行くのか。
IMAXについて何も知らなかったので、参考になりました。
IMAXデジタル・シアターは日本の各地にありますが、IMAX 70mm上映用のIMAXシアターはもう存在しないのでしょうか?
by Speakeasy (2017-07-16 17:54)
>>Speakeasyさん
現在は福岡のスペースワールドにあるギャラクシーシアターのみとなりました。スクリーンサイズは21m×28mと国内最大ですがIMAXドキュメンタリー作品しか上映出来ません。商業用の映画館ではないからです。なお年内で閉園が決まっているのでこれにて日本からIMAX 70mm上映館は消滅します(泣)。
http://www.spaceworld.co.jp/attraction/galaxy_theater/
by smith (2017-07-16 19:11)
私の言葉に印をつけてください:米軍はダンケルクを愛するでしょう!
by Matt (2017-07-23 12:17)
エキスポのIMAX Laserでダンケルクを見る前にこちらのサイトで勉強されてもらいかなり参考になりました。ありがとうございます。
ちなみに今後のIMAX公開作品情報を入手するにはどうすればいいんでしょうか。次のIMAX Laser上映が何になるか気になります。
by Bannister (2017-09-18 20:13)
>>Bannisterさん
IMAX Laserの上映予定でしたらエキスポIMAXの公式サイトで上映予定作品が掲載されているのでここをチェックして頂ければ。
http://109cinemas.net/imax/
今回の『ダンケルク』の様にIMAX用の特殊フォーマット上映に対応しているかどうかはIMAX社の公式サイトで紹介されています。
https://www.imax.com/ja/news
本文は英語になっていますが、例えば今後上映される『ブレードランナー2049』の記事に「SPECIALLY FORMATTED FOR IMAX」という見出しが付いており、記事ではIMAX用に1.90:1の映像で上映される事が紹介されています。
https://www.imax.com/ja/news/blade-runner-2049-will-be-specially-formatted-imax
後はTwitterのIMAX本社アカウントですね。
https://twitter.com/IMAX
ここでもIMAX用の特殊フォーマット上映作品の場合はその旨紹介されています。
by smith (2017-09-19 22:15)
掲載画像について,出典を明記していただけるとありがたいです。
by shin (2017-10-01 23:22)
>> shinさん
掲載画像についてですが個人的に長年収集してきたものや自作した画像から選別して載せているので、どの画像がどのサイトに掲載されていたかは最早判別が付きません(汗)。確か画像検索等も出来たはずなので申し訳ありませんがそちらで検索していただけたら幸いです。
by smith (2017-11-18 23:27)