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「けいおん!」を観てみた。 [アニメ]

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vo1と2を観た限りでは「ハルヒ」+「らき☆すた」÷2といったところだろうか。

予想していたよりも音楽ネタが少ないので、やはり「軽音楽アニメ」ではなく「軽音楽部アニメ」という認識でいいのだろう。実は観ていて途中何度かダレたのだが、音楽や楽器に関する小ネタをもっと小出しにしていけば緩急がついて軽音楽アニメとしての面白味も出たのではないのだろうか、みたいな事を思う。

観ていてダレた理由は恐らく原作が4コマ漫画だからなのだろう。

「ハルヒ」はライトノベルを原作としている。小説(特にライトノベル)では4コマ漫画のような短い構成には出来ないので基本的に1冊単位で話が完結するようになっている。そのためそこから一つのエピソードを取り出してもそれなりの長さでそれなりに起承転結が出来ているので、それを22分というアニメ1話分に置き換えてもあまり問題はない。そしてこれは通常の漫画でも同じである。

だが4コマ漫画の場合は事情が変わってくる。4コマ漫画の場合文字通り漫画は4コマで構成されており、4コマそれぞれで起・承・転・結の役割を果たすようになっている(それぞれの話が地続きで繋がっているのもあるが基本は同じである)。そのため、そのような短いエピソード(寧ろネタと言っていいだろう)を22分のアニメーションとして演出するのはどうしても無理が出てきてしまう。「らき☆すた」の第一話が全26話の中でも特に異質な演出だと感じるのはそのせいである。

ミクロな部分では起承転結が出来てもマクロでは出来ない。出来たとしてもどことなくバランスが悪い。「けいおん!」は個々のネタで結構笑えるのだが、全体で緩急がつけきれていないのでどうしても部分的に単調に感じてしまう事がある。

では同じく4コマが原作である「らき☆すた」はどうなのか。

「らき☆すた」は女子高生の日常生活をネタにしたアニメである。そしてそれ以外には何もない。だが、それが功を奏した。それしかないからそれだけが異常な密度で全編にわたって繰り広げられるのである。そのため起承転結は最早どうでもよく、視聴者はひたすら流されるネタの嵐に身を任せていくので、全体の構成などというモノは忘却の彼方へ流されてしまうのである。だからこそのあの第一話である。

比べて「けいおん!」はどうかというと、日常生活ネタはそれ程あるワケではない。かといって音楽ネタも数える程しかなく「軽音楽部アニメ」の域を出るものでもない。ではストーリーはどうかというと、武道館でライブという目標はあるもののこれはどう考えでもネタであり、その他に主人公達がバンドを始めるにあたって「けいおん!」という作品の方向性を決定づける様な強烈な動機もあるわけではない。

要するにどの要素も中途半端ななのである。そして不幸な事に作品の方向性が決められていないが故に、視聴者は「○○○萌え~!」というキャラクターへの愛着以外に観続ける事への動機が形成出来ないのである。

この点「ハルヒ」は強烈だった。涼宮ハルヒという真性のキチガイが起こすキチガイじみた行動がカオスを生み出し、周囲がそれに振り回される事によってさらなるカオスが展開されていく。そして、宇宙人、未来人、超能力者という中二病ど真ん中な要素によって謎が謎を呼び、「話の順番をずらす」という技法によって展開された物語は畳みかけるようにある一点へと収束される。話は基本的にカオスへと向かっているのだがハルヒというキャラクターのおかげでそれは「確固たるカオス」となり(ワケが分からん)、視聴者はハルヒの傍若無人っぷりに身を任せてしまうのである。

「ハルヒ」の物語(1期)は収束へと向かった。
「らき☆すた」は「何も始まらず」「何もせず」にそのまま終わった。

「けいおん!」は物語は展開したがいいが中途半端に進んでいる。果たして本当に武道館でライブを行うのか、それとも「昔の軽音部を超える」という目標へと進んで行くのか。4話までを観ている限りでは少々不安である。せめて何かを成し遂げては欲しいのだが。

まあ、「ハルヒ」も「らき☆すた」も「けいおん!」も原作を読んだ事がないので結局どうでもいいのだが。

それと肝心の「歌」についてだが、OPEDの両曲とも作品の本旨に沿うようなバンドの構成でキャッチーでありながらバリバリ(死語)のロックチューンの曲という「けいおん!」の名に相応しい曲となっている。が、個人的にはOPとEDの曲は逆の方が良かったのではないかとも思う。まあ曲調からの意図するところは分かるのだけれど、やはり何度聴いてもOPの曲はEDにしか聴こえない。それにしてもOPのイントロはかなり格好良い。イントロ部分をだけ何度も聴いて癖になってしまうくらいだ。というか全体的に楽曲はかなり良くサントラを買いたい位である。

例によって記号的なキャラと演出がなされ、お約束なネタとストーリーが展開されていく本作であるが、果たして何処へ向かっていくのやら。

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토토사이트

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by 토토사이트 (2023-09-15 17:39) 

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