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海外ゲーム業界2006-2009 ゲームショウ事情 [ゲーム]

前回に引き続き『くねくねハニィの「最近どうよ?」』まとめ。

http://www.itmedia.co.jp/keywords/kunekune.html

E3 Electric Entertainment Expo
「世界最大のゲームショー」と言われ業界関係者に限られているにもかかわらず参加者が6万人にも及んでいたのが、出展コスト高すぎ故2007年から縮小。数年前までは数億円といわれていた出展費用も大きなパブリッシャーともなるとケタが1つ違う。元はエンタメっぽい派手めの商談会って感じだったが、年を重ねるたびに肥大化して、お高いショーになってしまって 小さな会社にとっては敷居が高くてなかなか出展できなかった。E3期間を含めほぼ2週間はショー準備のため通常業務がまったくできず、プライベートショー プレイアブルやデモ制作を無理に強いられるというところも。

2007年
「E3 Media and Business Summit」となって、7月に開催されるように。それまで6万人の参加者だったExpoが、6~7000人に限定され、招待状がないと入れないという小じんまりとしたショーに一気に変貌。

2008年
その後ポスト「E3」である「E for All 」開催。
Eは「Entertainment」。昨年まで行われていた大きなE3の会場、LA Convention Centerで、10月18日~21日まで行われた。
4日間で1万8000人。対して東京ゲームショウが4日間で19万人。
2009年
従来の構成を取り戻しE3復活。
完全復活とはいかないまでも活気溢れるイベントに。


Game Developers Conference 2007
GDCとはGame Developers Conferenceといって、読んで字の如く、ゲーム開発者のための講演会。5日間に渡ってデベロッパーのための勉強会が行われる。毎日いろいろな講師が別々の部屋で時間を区切られて(60分のことが多い)、過去の経験を語ったり、パネルディスカッションをしたり、技術的な概要を紹介したり。内容や詳細は各人で調べて欲しい。

2007 Game Developers Choice Awardのベストゲーム(ゲーム開発者が選ぶベストゲーム)に選ばれた「Gears of War」。その今年のGame Developers Choice Awardを総ナメのリードデザイナーであるCliff Bleszinski氏が「神」と自身のセッションで語ったのが御存じ宮本茂。

少し前のGDCでは、日本市場で売れるためにはどのように開発したらいいか、とか日本発のゲームはどうやって作られているのか、などがセッションに含まれることが多かったけど、ここのところ「日本市場」という言い方をしなくなった。急激な日本ゲーム、日本市場離れが進んでいることは否めない。


Game Developer Conference2008
サンフランシスコで行われるのが規模が最大なのでここではサンフランシスコのMoscone Convention Centerで2月18日~22日まで行われたものを指す。
2008年は史上最多の1万8000人の参加があったとのこと。

参加費が高いことで有名なこのカンファレンス、すべてのセッションに参加できるパスが1人当たり1995ドル(約21万円)、メインカンファレンスパス(後半の水曜~金曜のみ)が1395ドル(約14.6万円)、モバイルカンファレンスのみが1045ドル(約11万円)などなど。

GDCは大きく分けて、キーノートスピーチ(基調講演)、セッション(座学)、ラウンドテーブル(パネルディスカッション)などに分かれてる。
60分がメイン、基調講演は90分。

ミドルウェアやエンジンを展示したりして、ゲームショーではなくゲーム開発ショー。
「転職フェア」みたいなイベントも。

分かる人は分かるネタ
「The Dishwasher(皿洗い):Dead Samurai」の開発者、ジェームズ・シルヴァ君のサクセスストーリーがコメディタッチのビデオクリップで紹介されてたけど、実際に彼はレストランの皿洗いを職業としていたらしい。

“ハードコア”向けのゲーム機というイメージのレッテルを貼られている感のXbox 360の「デモクライタイズ作戦。Xbox LIVEマーケットプレースをアマチュアデベロッパーを含めたすべてのゲーム開発者に「開放」。実際に試験的にXNAの開発環境を開放した(400個の学校を選定して配ってみたらしい)ところ、4カ月で200作品のXNAゲームの提出があって、いくつかのタイトルがすでに発表されていた。
これは間違いなくカジュアルゲーマーへのアプローチの一環。
ハードコアユーサーとカジュアルゲーマーやソーシャルゲーマーの垣根をなくすのが目標。

例年に比べると若干ながら日本からのセッション講師が少なかったことが影響してか、日本人率は昨年に比べて低かったと感じた。
日本人講師のセッションではやはり日本人率が高い。いわゆるクリエイティビティのところでのセッションは日本から学ぼうという姿勢も少なからずあったが、ビジネス面やテクニカル面でのセッションがほとんどないことを考えると、ちょっぴり危機感。

今回アワードを総ナメと言った感の開発会社Valve。

CMP Game Group(GDC主催者)が「Game Developer Research」2008年度版で、世界の開発会社Top50を発表

1. Nintendo Kyoto
2. Infinity Ward
3. Blizzard Entertainment
4. Electronic Arts Canada
5. Valve
6. Konami Japan Studio
7. Insomniac Games
8. Capcom Osaka Studio
9. Electronic Arts Tiburon
10. BioWare Edmonton
11. Bungie Studios
12. Ubisoft Montreal
13. 2K Boston [& Australia]
14. Harmonix
15. Bandai Namco Tokyo
16. Square Enix Tokyo
17. Game Freak
18. Epic Games
19. Hudson Soft
20. Neversoft

GC(Games Convention)2008
入場者はいよいよ20万人を超える規模(公式発表では20万3000人。
出展者は547社(昨年は503社)にのぼり、史上最大になった。

SCEのネット戦略がマイクロソフトのそれと比べてパブリッシャーフレンドリーではないらしい。ネットインフラが整っていて、パブリッシャーは「乗っかる」だけになってるXbox 360に対して、PS3はパブリッシャーの負担が重いらしい。

また、パブリッシャーのプロモーションとして欠かせないPSN上でのデモやトレーラーのお話。ユーザーはもちろんタダでダウンロードできるが、実はパブリシャーにダウンロードされた容量に応じて支払いを要求している。Xbox 360は基本プロモーションとしてとらえているのでタダ。

PSPがターゲットとする高校生以上の方々は「つるまない」。
 学校に通うのも自分の車(州によって違うけど、大体16歳くらいで運転免許が取れてしまう。ユタ州だと14歳だった気がする)なわけで、通勤も車の確率が高いってことは放課後に電車やバスでつるんで帰る、じゃ、帰りに遊んで帰ろうか?ってことはあんまりない。だからモンハンみたいにはならない。

北米でMajescoから発売されてる「Cooking Mama」(日本ではタイトー)。このタイトル、2006年9月に発売して以来、現在まで北米単独で100万本を超えていて、欧州全体でも100万本を超えている。
日本発のクッキングゲームがこの快挙。

 「直感的に楽しめる」、「結果がすぐ出るので気軽にできる」、「親子で楽しめる」などなどいろんなコメントが。E3でこの開発会社の社長さんとお話することができた。どうしてこのゲームを作ったのか?という質問に対しては、自分の娘さんに遊んで欲しいゲームを作ってみた、とのこと。「Cooking Mama」を語るとき、北米欧州とも「イノベーティブ!」と言われるけど、作り手はそれを狙ってたわけでもなく、結果的にイノベーティブになった、ってことだろう。


Game Developers Conference2009
参加費が更に値上がり。すべてのセッションに参加できるパスが1人当たり2200ドル(約22万円)、メインカンファレンスパス(後半の水曜~金曜のみ)が1495ドル(約14.5万円)、サミットのみが850ドル(約8.5万円)。円高とは言えなかなかの金額。

キーノートスピーチ(基調講演)
任天堂・岩田社長
コナミ・小島監督

SCEAがPSN専用開発支援プラグラムPub Fundについて語る。
作ろうとするゲームタイトルがPSN専用ってことであれば、SCEが開発費を負担する。またIPの移転はなく、オリジネータがそのまま著作権を保持でき、パブリッシャーとなって価格を決定し、支払われるべきロイヤルティに関しても保全される。つまりこれはデベロッパーがパブリッシャーとしてPSNに供給できる、って話であって、SCEがパブリッシュしてあげるってことではない。さらに、ゲームデザインやマーケティングプランについても相談に乗るよ、だそう。

ただ、残念ながら不況の影響は各メーカーに影響してて、THQが傘下の開発会社を5社閉めたり、EAが2回もリストラしてワールドワイドで数百人を解雇したらしい。マイクロソフトも傘下の老舗開発Ensenbleを閉鎖、年が明けてからはMidwayが会社更生法の下破産。欧州に波及してイギリスのパブリッシャーEmpire Interactiveが4月に倒産、などなど、決して順風満帆な状況ではない。勝ち組と負け組が鮮明になったともいえる。

ネット装着率(購入したハードがどのくらいの比率でネットにつながれているか)をサンプリング調査をしたところ、Xbox 360が50%、Wiiが意外に多くて29%、何とPS3が20%という結果が出たそうな。あくまでもサンプリング調査なので一概には言えないが。
PlayStation Networkがきちんと機能してない、ってことじゃないんすかねぇ。

 EAはもうナンバーワンパブリッシャーではなくなった。
Vivendiと合併したアクティビジョンにすんなり首位の座を譲ってしまった。巻き返そうとしてTake 2を買収しようとしたものの、Take 2からものすごい抵抗を受けて断念。長い間君臨してた座を明け渡した。

さらに自社開発のオリジナルタイトルが残念な結果に。鳴り物入りで昨年のE3で賞を取りまくってた「Mirror's Edge」や、クオリティを売り物にしてた「Dead Space」など、何だか裏目に出てしまった。

オリジナルで勝負したEAが惨敗。一方、「Guitar Hero」、「Call of Duty」などのフランチャイズ化に成功したActivision、イケてる感でいっぱい。でも、何とアクティビジョンは黒字化してないらしい。売れてても儲からんとはどんだけ金使ってんだ? 開発費も高いし、音楽版権とかいろいろ大変だろうが。ブリザードとの合併後ゴタゴタと整理中なのかもってのは邪推か?

なお「Games Convention」の後釜がケルンで行われる「GamesCom」に。


E3 2009総括

来場者4万1千人(やや復活)
 ここで、不思議なことを発見。E3ってあまりにお金がかかるのでいったん止めた、って話なのに、コマあたりの単価はかなり上がってる。それっていいのか? ESAは大丈夫なのか? ちなみに、E3である程度のブースを持つと、日本円で数億円で済めばいいけど、って世界(コマ代、内装費、衣装代、コンパニオン代、ケータリング他すべて含む)。大きなパブリッシャーは3日間のために10億円以上かけている、と考えれば、そりゃー金喰い虫ですよ。

最近のXBLAではPCでおなじみのマイクロトランザクション(無料でダウンロードしてアイテム課金をするモデル:アメリカでは韓国モデルとも言われる)も採用。

「来年はTGSはあるの?」
北米の業界関係者からすると、Nothing new(新しいものが何もない)、Few people(人が少ない)って印象だったみたいで、存在意義自体を問われる。

まあ、ワールドワイドで見ると時期的な問題もある。欧米の年末商戦のための展示や発表を考えると9月ではちと遅い。6月にE3があったわけだし、8月にドイツで開催されたGamesComってのがギリギリか。でも、もともとTGSってくらいだから、日本向けの年末商戦のイベントと考えればなにも問題はないんだが。

EAがまた大きなリストラを発表
2009年度(2009年4月~2010年3月期)は10億ドル(900億円)の赤字見込ってのに加えて、4月~6月期:2億3400ドル(211億円)の赤字、7月~9月期:3億9100ドル(352億円)の赤字を既に報告していて、ワールドワイドで9000人弱のうち1500人、17%をリストラ。今年2回目(前回は1000人)のレイオフ。EAと言えばジャイアントパブリッシャーの代名詞だったのに、何とも悲しいお話。

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