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ミラーズエッジに想うこと [ゲーム]

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発売に先立って公開された体験版のプレイ動画を幾つか見て思う事があったのでちょっと記しておこうと思う。

久しぶりのファースト・パーソン・アクション(?)ゲームとして国内外で比較的期待度の高い本作。管理社会の中での網の目として生身で情報を運ぶ「運び屋」となり、高層ビルを主観視点のまま縦横無尽に駆け回るというそのコンセプトはアクションのダイナミクスという面では非常に効果的であり、インパクトという点においても優れている。

身の丈以上ある段差を乗り越え、壁を走り、ビルからビルへ飛び移り、時には軍人レベル技術で敵の銃器を奪い取るそのアクション性は「ASSASSIN`S CREED」を彷彿させ、本作では主観視点の臨場感と相俟ってそれ以上のモノを感じさせる。

しかし、これは主観視点故の弊害と言うべきか、宿命と言うべきか。本作では手元、足下が見えない分、それがゲームバランスに組み込まれてしまっているため緊張感があまり感じられなくなっている。

具体的には、主観による足下が見えないという点を考慮した場合、当然ステージ上での足場の構成はそれを考慮した、つまりは「無理の無いモノ」になる可能性が非常に高いという事である。それもそうだ。足下が見えないのに初期ロックマンやマリオ的な構成にしてしまってはユーザーには酷であり、求められる操作技術が格段に上がってしまう事になる。そのため、ステージ構成にある程度の幅を持たせるか、あるいはプレイヤーの操作に対して一定のアシストを加えざるをえなくなる(最近では「プリンス・オブ・ペルシャ 時間の砂」に顕著に現れていた)。

まあ、本作のようなゲームデザインで三人称の3Dアクションゲームの場合では通常タイトな操作性が求められている以上、融通のきかない主観視点になることによってそれらが緩くなる事は仕方のない事ではあるが。ただ、それによって緊張感が無くなり、タイムアタックが主なゲーム性になってしまうことだけは個人的には避けて欲しいし、避けられるべきだとは思う。

また、本作では主人公のような「運び屋」の存在は取り締まられるべきとされているため、当然それらを狩る敵も存在するのだが、体験版の映像を見るとはこれが非常にお粗末なのである。もちろんまだ体験版であるという事、序盤であるという事も含めて評価するべきではあるのだが、それにしても主人公が正面から走ってきているの銃を二三発しか撃たないというのはどう考えてもおかしいだろう。しかも近づかれているのに格闘体勢に入ろうともしない。

おそらく制作側としてはゲームのテンポを良くしたいという考えの下、敵をある程度スピーディーに倒せるようにしたいというのがあるのだろう。だが勘違いしてはならない。

ゲームのテンポというモノはプレーヤーによって構築されるべきであって、作り手はその場を提供する事だけに留まるべきだからである。

例えどんなに難しいゲーム(ジャンル問わず)であったとしても操作するのはプレーヤー自身であり、プレーヤーが学習する事によって技術が向上し、それによって固有のリズムが形成されていく。そうなってそこに初めて「ゲームのテンポ」が意識されるのである。そのため、そこには学習する幅が無ければならず、それがなければそれは只の作業となってしまう。だから私は例に挙げたアシスト機能満載の「プリンス・オブ~」を好きになれなかったし、「無双シリーズ」も「三国無双2」以降殆どやっていないし、今までの作品を見てもやろうとはとても思えない。

上記の二作品がつまらないと言っているわけではない。「三国無双2」については計何十時間と狂ったようにプレイしていたし、「プリンス・オブ~」はクオリティが高く「時間の砂」のアイディアも面白いものだった。ただ、プレーヤーの「遊び」の介入する余地があまりにも無かったのだ。同じ理由で「ASSASSIN`S CREED」もやはり受け入れる事は出来なかった。「レスポンス」と「アシスト」は違うモノ。それを履き違えてはならない。邪魔な壁も時には必要という事である。

とまあ色々書いたが個人的には本作にかなり期待しているので、単なるレースゲームに成り下がらないようにただただ祈るのみである。そのためにも、せめて難易度の変更で「CALL OF DUTY 4」の如き一発の銃弾で死ぬぐらいのモノになればかなりの緊張感が得られると思うので、求めている良いゲームバランスになるかもしれない。


ミラーズエッジ

ミラーズエッジ

  • 出版社/メーカー: エレクトロニック・アーツ
  • メディア: Video Game



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