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The Elder Scrolls IV : OBLIVION レビュー [ゲーム]

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発売:2006.03.20 
開発:Bethesda GAME STUDIOS
発売:Spike
ローカライズ:スパイク / テキストのみ翻訳
物理エンジン:havok

プレイ時間:60時間

2006年の作品なのでゲーム性に関する詳細なレビューは「mk2」等にお任せして、ここではローカライズ的な観点を中心とした趣向を変えたレビューを書いていく事にする。
「一人称視点と三人称視点によるRPG」という日本人にはあまり馴染みの無いジャンルの本作。「升目のないウィザードリィ」と言えばいいだろうか。いわゆる箱庭形式のゲームで、ゲーム内に「タムリエル」という世界を文字通り作ってしまったという点が本作を特徴づけているだろう。先に世界ありきでそこにプレイヤーが世界の一住人として存在する。ゲーム内のキャラクターは全て固有のアルゴリズムに則って行動し、ゲーム内で変動する時間に合わせて起床から就寝まで「勝手に」行っていく。と文字に起こしてみると極々当たり前の事のように思えるが実際に体験してみるとこれが本当に驚くべきことなのである(実際かなり驚いた)。

登場するキャラクターは物乞いから王族まで色々あり、種族は十種類にもおよぶ。六つの町を中心とするオブりビオンの世界は端から端まで移動するのに20~30分の時間を要するほど広い。そのためMAPの広さを考慮すると当然人の数もそれに見合わせた数にしなければならないので、ゲーム内のキャラクターは(モンスターは除く)おそらく最低でも200~300位はいるだろう。

で、ここからが本題なのだが、本作はゲーム内に登場する全てのキャラクターと会話が可能なのだが、そうなると当然台詞の分量は膨大なものになる。喋るキャラクターは全てフルボイスであり、しかもゲーム内の同士が勝手に話し出すこともあるので本作は「会話」を非常に意識する作品となっている。また、ゲーム内のアイテムの量が半端ではなく、武器、防具、薬、錬金器具、食べ物、錬金材料、書物、メモ、宝物、鍵、魔法石などおそらく500以上は存在し、それぞれに説明文があり、書物にいたっては200文字詰めで30ページ近くあるものも存在するのでゲーム内の文章の数はかなりのものとなっている。

おそらくそのためだろうが、本作では音声に関しては手を加えず、テキストのみの翻訳作業に止まっている。まあ、これは実際にプレイしてみると致し方ないとは思うだろう。しかし、それゆえの問題点も存在する。

吹き替えがなされていない以上、プレイヤーは字幕のみを頼りに情報を得なければならないのだが、プレイヤーのキャラクターに誰かが話しかけている時に前述した「町の住人が勝手に会話している状況」に出会った場合、キャラクターの距離によってテキストが画面に表示される優先度が変わってしまうのである(これに関しては距離以外の要素も考えられる)。そのため大事な場面で自分の知りたい情報が得られない、字幕が表示されないという事が起こってしまうのである。これには本当に困ってしまった。これは字幕のみのローカライズ作品の典型的な落とし穴でもあると言えるだろう(実際本作以外にもこういった作品は存在する)。

また本作はその字幕が非常に読みづらく、字幕の文字が読みづらいフォントであり、変に立体感があり、そもそも文字自体がかなり小さく、また字幕の色が背景と似ていることが多々あったため、慣れるまでは本当に不便だった(フォントは後にパッチで改善された)。因みに慣れても「快適」にはほど遠いという事は明記しておく。確かに表示される分量を考えれば文字が小さくなるのは致し方ないとは言えるが、「テレビが小さいので文字が全く分かりません(泣)」といったレビューが載ってしまうのはインターフェースとしては如何なものではある。

そういった点も踏まえて本作のローカライズに関するレビューをするならば、次世代機黎明期という事、多様な再生環境に合わなければならない事、膨大なテキストの量、という点を考慮すれば仕方がないとはいえなくもないが、プレイヤーからすれば前述の通り「快適には程遠い」と評価せざるを得ないだろう。

がしかし、それを差し引いても60時間遊んでしまう程面白い作品であるという事は言っておきたい。色んな意味で「やっておくべき作品」だろう。因みに本作のゲームデザインを継承した同じくBethesdaの作品「Fallout3」「Fallout:New Vegas」は「マッドマックス2的なアフターマスな世界観で銃器をぶっ放す」という内容となっているので剣と魔法が苦手、または飽きたという人はそちらをオススメしたい。

何はともあれ本作をローカライズしてくれたスパイク、中でも高橋徹氏には最大の賛辞を送りたい。





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コメント 2

ほめぞう

随分前の作品ですが、字幕に目をつけるとは。
オイラはオブリ全体の雰囲気に呑み込まれて気付かなんだです。

あとは、「いつでも難易度を変えられる」ことかな。
by ほめぞう (2010-09-10 21:05) 

smith

字幕のみの作品で何を喋っているか分からないのは結構気になりますからね。その点「fallout3」は助かりましたが。

難易度に関しては個人的にはあまり意味は無かったですね。60時間プレイして調整することは一度もありませんでしたし、調整すると没入感が無くなって萎えてしまいますから。「最初から最高難易度でマゾプレイ」みたいなのはありかとは思いますケド。因みに「new vegas」はハードコアでやるつもりです(笑)。
by smith (2010-09-13 10:45) 

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