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2012年映画総決算 [映画]

2008年/2009年/2010年/2011年

一月末なのでギリギリセーフ(完全にアウト)。
一ヶ月遅い気がするのは恐らく気のせいなのだろう。

今年は新作が10本(重複14回)、リバイバル1本。
観に行く時間が限られたというのもあるが今年は意図的に減らした。というか減らさざるを得なかった。そして減らす事が決定した以上観に行くものは厳選しなければならない。その結果が10本。我ながらこれは無い。

さて、今年は例年と比べると少々毛色が異なったように思う。まあこれは個人的な要因が大きいのだが、映画の内容そのものよりも映画館体験として色々感じていた事が多かった。漸く目とその他色々が肥えてきたのだろうか、画質、音質、音響等、映画館というシステムそのものに対する認識が大きく変化したのが今では手に取るように分かる。もちろんそれらを意識させるような作品があってこそなのだが、逆に考えるとそれはそれで問題なのではないかとも考えてしまう。

しかしまあ、個人的には今年は良くも悪くも「ダークナイト ライジング」の年であり、もっと言えばIMAXの年だった。アレを観てからは寝ても醒めてもIMAX状態で、実を言うと後の映画鑑賞に若干の支障をきたしていた程(深刻な話ではないが)。流石に今は大分落ち着いてきたが刺激が強すぎるのもなかなか考えモノである。というワケで今年は映画館体験としての評価に比重が置かれると思ふ。

1位 ダークナイト ライジング (LG IMAX THEATRE 70mm/15p) 4回
IMAXは用法用量を守って正しくお使いください。という注意書きをつけたほうがいいのではないかと思わせるほどの強烈な映画館体験。29.42m×35.73mを誇る世界最大のスクリーンは間違いなく世界最高の映画館体験を味わえるのだが、その反動として暫くは国内のスクリーンでは満足できなくなる状態に陥ってしまう。おまけに先日発売されたBDも家庭環境のあまりのショボさに冒頭のハイジャックシーンで見るのを断念。普通はハリウッドAAA級の作品のBDともなれば手にしたことを喜びその映像、音響のクオリティの高さに満足するものなのだが、本作は困ったことに音だけ聴いていても劇場との圧倒的な差に絶望し溜息ばかりが出てしまうのである。私の環境がショボイというのもあるが。しかしながら、はっきりいって本作は内容的にアレな部分が多い。国内のIMAX DIGITALで観ていたら順位は間違いなく落ちた筈である。台詞が半分も理解できていなかったのも大きいだろう。しかし、アレはそれすら許容してしまうほど圧倒的なのである。恐らく今後10年、映画館体験としてこれを超えるは先ず無い。わざわざ遠出してまで観た甲斐は間違いなくあったし、確実にまた行くだろう。
ノーランに感謝。IMAXに感謝。
因みにIMAXレポ→前編 後編

2位 花の詩女 ゴティックメード 5回
本作も正直内容はアレである。酷いと言ってもいい。とても2012年の劇場長編アニメーションとは思えない程のクオリティの低さである。TVアニメで海外に外注が出された時の残念な作画と言えば分かりやすいだろうか。初見では目を覆いたくなるような場面が幾つもあり、何というか正気を疑った。兎に角既存のアニメーションの文法で作られておらず、止め絵で物を平気で動かしたり、恐ろしく下手なズームを行ったり、小津安二郎かと思うほどの固定された構図とその多様があったりと理解に苦しむ演出が非常に多かった。終盤の戦闘描写も構図は変わらず緩急をつけるためのショットも無いためFLASHアニメを見ている様で残念でならなかった。

が、結果としては5回も観てしまった。そして、最も楽しめたのは5回目であり、最も興奮したのも5回目だった。何故か。一つは観た人は既にお分かりの通り「アレ」とか「アレ」が観たかったから。そしてもう一つは音響である。上記の通り戦闘描写はショボい、しかも数十秒で終わってしまうのである。だがそれ故何度も観ざるを得ない。画面内の情報があまりにも多く、監督である永野護が恐らく意図していたであろう流れが汲み取るのに5回もかかってしまった。しかしその分感動も大きくその時は思わず膝を打ちそうになった程。「ライジング」同様戦闘シーンにおけるあの音響は家庭環境では先ず再現できない。アニメーションでありながらあれ程音響を意識させる作品も中々無いだろう。大手シネコンの大きい箱で観れなかったため4kの上映を観る事が出来なかったのが非常に惜しいがそれでも十二分に満足できるものだった。

3位 007 スカイフォール (吹替)
画の美しさが際立つ異色のボンド映画。特に終盤のスコットランドの撮影は神がかり的なショットが幾つもありアクションシーンでありながら非常に幻想的で思わず引き込まれてしまった程。ビスタサイズになっているIMAX版ではまた印象が異なるのかもしれないがこれほどまでにシネスコの構図が際立って見えたのは初めての体験だった。

4位 プロメテウス (IMAX DIGITAL 3D) 2回
遂に3Dもここまできたかと思わせる程の素晴らしいまでの立体感。続編にも期待。

5位 タイタニック3D (IMAX DIGITAL 3D)
後付け3Dでもここまで立体的に表現できるというのは偏にジェームズ・キャメロンの手腕によるところなのだろう。後付け故にレイヤーが強調されてしまうのは致し方ないがそれでも3Dにした価値は十二分にあった。レストア具合も素晴らしく194分間全く飽きることなく見入ってしまった。

6位 バトルシップ
祭映画。突っ込み所満載なのは言わずもがな。それでも中盤からの主人公の恋人のパートが完全にお荷物状態だったのと、市街地に飛んでいった独立兵器に対する軍隊の描写が全くなかったのは流石にどうかと。

7位 アベンジャーズ
流石はジョス・ウェドン。と言いたい所だが、レイティングの関係故全く毒がなかったのが残念だった。「セレニティー」の時もそうだったのだがあまりに健康的過ぎる。良く出来ていると思うしBDでも何度も見てしまうくらいなのだが綺麗にまとまりすぎている。もう少し尖った部分があっても良かったのではないかとも思ってしまう。

8位 ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q 5回
冒頭の宇宙空間での戦闘からシンジ離脱までは何度観ても飽きない。だが、それ以降は正直退屈。本編の尺の短さも含め全体的に制作に余裕が無かったような印象を受けてしまう。何より気になったのが機体の没個性っぷりである。2号機、8号機、13号機etc。ロボットアニメでありながらロボットに個性が全く感じられず、フェティシュな拘り、主張すらないため完全に記号と化してしまっている。それが最も色濃く出ていたのが13号機の戦闘シーンである。ロボットを「殺す」兵器であるファンネルの登場。動かすことすら放棄したロボットアニメのいったい何処を見ればいいというのか。

前2作と比べるとあまりにも歪な構成であり単体として観た場合は結構酷い。酷いが個人的には実は今作が一番気に入っている。TVシリーズの絵コンテを元に制作していたせいで、TVで散々やっていたTV的などうでもいい日常描写が延々と繰り返されていた前2作の「日常」を完膚なきまでに破壊しつくし、ただひたすらにSF的展開を繰り広げていたQは正に私の観たかったヱヴァそのもの。破では絡むキャラがいなかったせいで延々と独り言を言っていたため、没個性かつ頭のおかしいキャラに認定していたマリはアスカとコンビを組むことによって破の時とは見違えるほどに魅力的に感じられ、戦闘中に昭和歌謡を口ずさむという「オッサンキャラ設定」はトリックスター的な立ち位置と相俟って、作品全体に良いアクセントを残している。宇宙空間で爆発が起こりながら「一人じゃない~」と歌声が聴こえるあの絵図は素晴らしいの一言。

あと、ネタバレになってしまうのだがどうしても書いておきたいので。
ラストカットである丘の頂上に向かって足跡が続いているあのシーン。私はあそこに5億点をあげたい。まさかヱヴァでこんなショットを観る事が出来るとは。アスカがシンジの手を引いてレイと共に丘の目指して歩いていくという、新旧含めエヴァという作品を考えたら絶対に有り得ない描写なのだが、今作含め前2作も振り返ってみるとこのシーンは感慨深いというか、正直心が震えた。感動すら覚える。崩壊した世界の中、14年という歳月を経てシンジの手を引いて歩き、寸前まで敵対していたレイをあくまで綾波シリーズという総体として冷静に捉えるアスカの胸中、そして成長。3人共に元の鞘に納まりながら「丘を登る」というどうしようもない世界の中で明確に示された希望。絶妙なタイミングでイントロが流れるエンディング曲の「桜流し」。酷い映画だったがこのシーンだけは本当に最高である。

9位 タイタンの逆襲 (IMAX DIGITAL 3D)
ソレナンテGOWⅢ。だがそれが良い。寧ろ清々しい。

10位 ペントハウス
普通。
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