「COD:MODERN WARFARE 2」のサントラについて [ゲーム]
全世界で2000万本の販売を記録した「CALL OF DUTY : MODERN WARFARE 2」。
劇中、フィールドだけでなくカットシーンやブリーフィングの場面にさえ効果的にBGMを流す事によって、他のタイトルでは蔑ろにされがちな「FPSにおける音楽」を演出の必須要素であるとし、それによってひたすらに映画的な演出を究める道を邁進している本シリーズであるが、本作ではなんとあの「ハンス・ジマー」が音楽を担当している。因みに前作「COD4:MODERN WARFARE」はハリー・グレッグソン=ウィリアムズが担当している。
さて、先日本編であるキャンペーンを終了しCREDITを確認していたのだが、何とMUSICの欄に「HANS JIMMER」の文字が。そういえば劇中何度か印象的に流れるストリングスで中東感を出すあのBGMはBHDそのものであり正にジマー印だったし、他の曲もそう考えてみると結構ジマーっぽかった。
というわけでさっそくサントラを探してみたのだが、何とこれがDL販売(mp3)のみ。
ここ最近「ダークナイト」「インセプション」とクオリティの高いサントラをリリースしていただけに、正直これはかなり残念だが無いものはしかたがない、などと思いながらも聴いてみたのだがこれが何とも・・・。
先ず最初に感じる違和感が「低音域のダイナミックレンジの異常な狭さ」である。兎に角軽い。もっと悪く言うと薄っぺらい。とても「ダークナイト」「インセプション」と比べると同じ作曲家とは思えない。そして、ビットレート不足からくるのか、それともMIXが雑だったのか、はたまた録音の時点で瑕疵があったのかは分からないが、一部楽曲のノイズが酷い。ノイズの種類としてはビットレート不足による「シャリシャリ音」なのだが、mp3とはいえ正式に販売されているものであるからビットレート不足によるノイズとは考えにくいがいずれにしても不可解である。また、全曲合わせても50分程度しかなく聴きたかった曲の何曲かが収録されていないことも気になる(入れるべきと言った方がいいか)。
これらについては一人で考え込んでも埒が明かないのでネットで情報を収集してみることに。
取り敢えず私が知る限りで最もジマー御大に詳しいSuzuki-Ri氏の感想をのぞいてみたのだが、案の定発見。なになに。
●「Modern Warfare 2」というゲームの音楽を ジマーが担当しているが、うーん…。 ゲームだからかもしれないけど ジマーぽくマネした人にしか聞こえない。 もうちょっと重厚なのを…と勝手に想像してたんだけど。 (ハリーのメタルギアの方が正直いい)
と、楽曲自体は個人的にはかなり気にいっていたのだが何とも予想外の反応。
最も、ジマー歴の短い私なのだから当然なのだが。
他にも色々探していたがサントラ自体の感想は殆ど見当たらず、半ば諦めていたのだがふとサントラの画像を見てみると「LORNE BALFE」なる文字が。今まで御大のみの作曲だと思っていたので気付かなかったのだが、良く見てみると「HANS JIMMER」と一緒に「LORNE BARFE」と記されているのである。もしやと思いwikipediaで調べてみると御大の作曲した作品に付随して(additional music)と表記されているもの多数。そして最近になって「additional」から「with」に格上げされている作品も確認できる。とするとこれはSuzuki-Ri氏が言っていたジマーの弟子的な位置づけなのだろうか。しかし、そもそも弟子って何だ。関係性が図りかねるが・・・。もしかしてレーベル的なものが・・・。と思い調べてみるとこれも案の定発見。
「REMOTE CONTROL PRODUCTIONS」
どうやら御大のスタジオらしくそこに門下生が所属しているのだが、そこに「LORNE BALFE」の名前が。そして確認のためもう一度「MODERN WARFARE 2」のCREDITを調べてみると「MAIN THEMES by HANS JIMMER」「MUSIC CONPOSED by LORNE BARFE」の文字が。恐らく私の読みは半分ぐらい当たっていたのだろう。御大に直接指名が来たのか、「リモコン」に依頼が来たのかは分からないが、そろそろ一本任せてみよう的な流れになったのだろう。事実LORNE BARFE氏は本作の後「Megamind」「Crysis 2」とメジャー作品を担当している。
しかし恐ろしいものである。本作が処女作であるかは分からないが、いきなりメジャー作品を任され、しかもゲーム音楽でありながらクオリティの高いジマーっぽい曲を作れてしまうのだから。そう考えると、おそらく御大の作曲のメソッドはほぼ確立しているのだろう。となると「Crisis 2」の楽曲がどうなっているのか、俄然楽しみになる。
コメント 0