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「MGS RISING」後における日本のレーティング [ゲーム]

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「METAL GEAR SOLID RISING」のトレーラーが一般公開されてから同じようなことを考えていた人は多いと思うが、これがユーザー一般における共通の認識だという確信はないので、あえてここでは個人的な意見として記しておきたいと思う。

年内のなのかそれとも来年の発売になるのかは分からないが、おそらく「MGS RISING」は外国製、日本製を問わず今後の国内における「Z」レーティングの一つのメルクマールとなる可能性が高い。「可能性」としたのは、現時点では公開されたトレーラーと同一の仕様のまま販売されるかどうかは現時点では分からないからである。既にトレーラーを観た人は分かっているだろうが本作は内容としてはかなり過激な事をしている。何がどう過激なのか。それは「人体を切断できる」事が基本的なゲームデザインとして組み込まれている事である。「できる」というのは、「MGSシリーズ」は基本的にプレーヤーに対して常に非殺傷という選択が出来るようになっているからであり、そのため本作もシリーズの系譜である以上、恐らく同様に非殺傷という選択が「常」に可能となっているのではないかと考えられるからだ。

では、「その」仕様が何故国内における「Z」レーティングの一つのメルクマールとなる可能性を有するのか。それは人体を切断する、つまりユーザーに馴染み深い言い方をすれば「部位欠損」が可能な仕様が組み込まれているゲームはそのままでは国内での販売が出来ない可能性がある、もっと言えば当該部分に対して修正を余儀なくされる可能性があるからである。どういう事か。詰まるところ「MGSシリーズ」という国内A級ブランドに属する本作にそのような過激な仕様がありながら、何の問題も無くそのまま「Z」レーティングで、尚且つ国内で販売できるという事は、それまでの、又はこれから製作、販売される「Z」レーティングタイトルにおいての表現の幅が「大幅」に引き上げられるという事に繋がるからである。

「GEARS OF WAR 2」
「Fallout3」
「DEAD SPCE」
「PROTOTYPE」
「ALIEN VS PREDATOR」etc・・・。
これまで「部位欠損」が国内レーティング制度であるCERO(コンピュータエンターテインメントレーティング機構)の規定に抵触するため修正を余儀なくされた、あるいは販売そのものが見合わせられたタイトルは上記の他にも幾つかあるが、それらの多くは海外タイトルであり、こういった事例に該当するような日本製のタイトルは見聞の及ぶ限りでは存在しない。そして、ここからが問題で、実は日本製タイトルで唯一該当すると「思われた」ソフトが存在するのだが、それが2008年に「DOAシリーズ」で有名な「Team NINJA」が開発、テクモが販売した「NINJA GAIDEN II」である。

「NINJA GAIDEN II」は数ある3Dアクションゲームの中でも最も過激であると評される事が多いが、それは如何様なものであるのか。それは、人を模した敵に対して部位欠損ならぬ「四肢切断」が可能だという事である。部位欠損の仕様があるタイトルは実は国内でも結構存在する。特に人外の存在であるモンスターに対しては。特に有名なのはみんな大好き「モンスターハンター」だろう。あれは部位欠損=欠損した部位の素材集め+戦術要素というゲームデザインになっているためプレーヤーは積極的に部位欠損を狙うよう仕向けられている。そう、人外の存在に対しての部位欠損であれば国内では十分に許容されているのである。事実、「モンハン」はレーティングが「Z」ではない。

しかし、それが「人間に対して」となると話は違ってくる。
統計的に見て、国内レーティング制度であるCEROの規定では「人」を模したキャラクターに対してプレーヤーが「能動的」に部位欠損に関わる様な仕様は禁止される表現に含まれる事が多い。あくまで統計的にではあるが。「GEARS OF WAR 2」ではヘッドショト時の頭部欠損、「Fallout3」では人間又は人を模した者に対しての部位欠損等、メジャータイトルであるかマイナータイトルであるかを問わず「人を模したキャラクター」に対する欠損表現はかなりの割合で画一的に修正されている。そこで先に挙げた「NINJA GADEN II」である。前述したように、本作は何故か「どう見ても人間にしか見えないキャラクター」に対して四肢を切断する事ができるのである。

これについてはこんな話がある。

開発者が「これは人間ではありません。」みたいな事を言ったとか言わないとか。

にしても変な話である。修正する運びとなった上記2タイトルは人間どころか「人を模した人外のキャラクター」に対する欠損表現でさえ修正を余儀なくなれたからである。そうなるとこのような疑惑が自ずと沸いてくることになる。

「日本製」のタイトルに対しては審査基準が緩和されているのではないか。

現時点で判明している「MGS RISING」は恐らくゲーム史上最も過激な仕様となるだろう。何せ「人間を自由な角度から何度も細切れに切断できる」のであり、しかも内臓部分まで細かく表現されているのである。四肢切断できるゲームは今までに幾つもあった。でもそれらは出来たとしてもあらかじめ欠損部分が固定された四肢切断であったため、ある意味「ゲームらしさ」「非現実感」が多少なりとも存在していた(同じような仕様である「AFRO SAMURAI」についてはデフォルメされたグラフィックなので割愛)。しかし本作は正直「シャレにならない」。個人的にはゲームデザインとして、又技術的に見ても非常に興味深いものなので是非国内でもこのままで販売してほしいのだが、業界的には「販売戦略」としても「倫理的な観点」からしても、良い意味でも悪い意味でも問題になるのだろう。

果たして「MGS RISING」は当初のままの仕様でCEROの審査を通過できるのか。そして「MGSシリーズ」初の「Z」指定タイトルとして国内での販売が可能なのか。もし実現できれば「DEAD SPACE 3」(希望的観測)や「PROTOTYPE 2」等、国内では今後も日の目を見ることが叶わないであろうタイトルのローカライズの可能性がかなり高まる。そして何より本作によって「人間に対して明確に四肢切断が行えるタイトル」が国内でも販売が可能になることによって「NINJA GAIDEN 2」が果たして日本製という点において優遇されていたか否かという事も明らかになるだろう。そしてそれは「MGS RISING」後のローカライズされた海外のタイトルに対する仕様の如何でも同様である。

と、勘違いする人がいるかもしれないので書いておくが、私は別に残酷、残虐な表現が見たいわけではない。「製作者が見せたいオリジナルの状態」を見たいからローカライズについて発言しているのである。何せ国内版はもちろん、そのために「GoW2」「Fallout3」「MODERN WARFARE 2」「DANTE`S INFERNO」「GOW III」「KANE & LYNCE 2」その他諸々のアジア版を購入した位である。だから個人的には是非「MGS RISING」には今後の「Z」レーティングにおける新たなメルクマールとなって欲しいのだが、果たしてどうなるのやら・・・。
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