スカイ・クロラ -The Sky Crawlers- [アニメ]
セルアニメーションにおいて3DCGによるモデリングやエフェクトを本格的に導入し、「デジタルという魔法」によって新たな方向性を見出した「青の6号」(1998)。
「フルデジタルアニメーション」としてあらゆるデジタル技術を総動員し、セルアニメーションにおける3DCGの一つの完成形を示した「BLOOD THE LAST VAMPIRE」(2001)。
「トゥーンレンダリング」と「セルシェーディング」の導入によって昇華され、セルアニメーション内における3DCGを新たなる次元へと押し上げる事によって方法論を提示した「戦闘妖精雪風」(2002)。
人間以外のあらゆるモノを3DCGで描き、それらをあえて前面に押し出し、「犬」と「人形」を手で描く事によって3DCG内におけるセルアニメーションの在り方を再び示した「INNOCENCE」(2004)。
本格的に3DCGが導入されてからおよそ10年。あえてそれを<秘術>と呼び、未だその習得には至っていないと彼は言う。日本のセルアニメーション技術は衰退の一途を辿り、3DCGの導入はやむを得ないものであり、さらにそれらは「ジャパニメーション」同様日本独自のモノでなければならない、と。
ゲーム業界ではそれらの方法論が確立されつつあると彼は言うが、「殆どそれしかない」中でそれと共に20年以上歩んできたゲーム業界にとっては当然の帰結であったのではないかと思う。しかし、アニメーションと同様、2Dと3Dの融合においては未だそのあり方を模索している最中ではある。そう考えると、セルアニメーションと3DCGの共存というのはある種永遠の課題とも言えるのかもしれない。
2008年。
まだ数秒しかその映像は見ていないが、かなりの度合いで3DCGが導入されているような印象を受ける「The Sky Crawlers」。彼の言う<秘術>がその作中で使用されているかは定かではないが、「INNOCENCE」で過剰とも言える程の技術が投入され、彼の一つの集大成としての作品が提示された今、今作によって劇場アニメーションの新たな方法論と方向性が見出される事にもなるのかもしれない。
スカイ・クロラ The Sky Crawlers オリジナル・サウンドトラック
- アーティスト: 川井憲次
- 出版社/メーカー: バップ
- 発売日: 2008/07/25
- メディア: CD
「スカイ・クロラ」フィギュア付BOXセット スカイ・イクリプスバージョン
- 作者: 森 博嗣
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2008/06/24
- メディア: 大型本
2008-06-19 11:45
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