SSブログ

Gears of War における最近のグラフィック事情 [ゲーム]

少々遡るが、最近のゲームにおけるグラフィック事情を「ギアーズ・オブ・ウォー」を例に挙げて説明する。

現在、コンシューマー機において最高峰のグラフィックと言われている360の「ギアーズ・オブ・ウォー」。プレイした人はもう分かっていると思うが、他の360の作品と比べてもその質感・ディテールが圧倒的である事が分かる。特にキャラクターにおいてはリアルタイムで動いている事を忘れてしまう程に細部が書き込まれている。そして、なによりこの細かく書き込まれているマップの中で細かく書き込まれているキャラクターが複数動いていて、それらにハードの処理が間に合っている事に驚いてしまう。

そこで、いかにしてこのクオリティを実現させたかを調べていたのだが、どうやら「ギアーズ~」のグラフィックにはある「カラクリ」が施されていたとの事だ。それは「バンプマッピング」と呼ばれる処理である(法線マッピングとも呼ばれる)。この説明に関しては、専門用語が多様されていて少々難解であったため、ここではかなり端折って説明する事にする。

まず、ゲーム上に表示されているあらゆる物はワイヤーフレーム(線)とポリゴン(面)・テクスチャ(質感を表現する面)によって構成されている。よく、線や面だけで表現されている画像があるが、あれが良い例である。そして、デジタルの概念上全ては0と1で構成されているため、曲線を表現する場合は直線を幾つも繋げなければならず、完全な曲線を表現する為には膨大な数の直線が必要となる。そして、その線の数が増える程ゲーム上の処理に負担がかかるのだが、ハードの進化と共にその表現出来る数は増えている。初期のPS作品のキャラクターなどがカクカクしているのはそのためだ。また、線と共にそこに貼っていく面の数も当然増えていく。そのため、ハードが進化し、リアルになればなる程線と面の数は増え処理の負担も増えていくので、如何にその数を減らしていく事が課題となっている。

ここで先ほど挙げた「バンプマッピング」が役に立ってくる。これがどんなものが簡単に説明すると、要は「だまし絵」の原理である。ここでのだまし絵とはエッシャー等の永久立体ではなく、「立体に見えて実は平面」といっただまし絵である。そう、つまり単なる誤魔化しだ。

具体的に説明すると、立方体をポリゴンで表現した場合、構成している6個の面はそれぞれ固有の方向を向いている。これを法線ベクトルという。そして、この法線ベクトルを記憶させたままこの立方体を平面に描く。ここで平面に描かれた立方体のそれぞれの面に陰影の処理を施すことによって、平面でありながらどの方向から見ても陰影処理が働き、あたかもそこに立方体があるように見せる事が出来る。これが「バンプマッピング」である。これによって、物の凸凹などの質感を平面で描きながら立体的に見せる事が出来る。しかし、あくまで平面であるため近づいてみると平面である事が分かってしまう。だが、結果的にポリゴン数は格段に減り処理が軽くなるため、残った処理の幅を他の事へ回したりする事が可能となる。

これが通常のモデリング。数百万のポリゴンで構成されている。左がワイヤーフレームとテクスチャで構成されたもの。右がワイヤーフレームのみで、腕の部分が真っ黒なのはあまりに細かいからである。
http://www.watch.impress.co.jp/game/docs/20040520/ue17.htm

これがバンプマッピングの処理を施したもの。ポリゴンは数千にまで落ち、シンプルになっているのが分かる。。
http://www.watch.impress.co.jp/game/docs/20040520/ue18.htm

これはキャラクターに処理を施したもの。鎖の部分を見ると平面である事が分かる。
http://www.watch.impress.co.jp/game/docs/20040520/ue24.htm

これはマップに処理を施したもの。レンガや細かい装飾は殆ど平面である。ポリゴン数はは2億から50万へ。
http://www.watch.impress.co.jp/game/docs/20040520/ue04.htm
http://www.watch.impress.co.jp/game/docs/20040520/ue06.htm

次世代機が発売されてまだ少ししかたっていないが、こういった技術によって「ギアーズ~」のようなクオリティの高いものがもう出てきている事には驚きの意を隠せない。グラフィックに関する技術は私達の予想を遙かに超えた速度で進んでおり、その可能性はまだまだ計り知れない。各メーカーの技術が安定してくる二、三年後には一体どんなものが出てくるのか。期待は膨らむ。

なお、専門的な知識が知りたい人はこちらへ
http://www.watch.impress.co.jp/game/docs/20040520/3due3.htm


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:ゲーム

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

咲かせた!Live Earth Japan ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。