『Go!プリンセスプリキュア』3DCGモデルによるセルルック表現 [キュアトゥインクル編] [アニメCG]
・[キュアフローラ編]
・[キュアマーメイド編]
キュアマーメイド同様、トゥインクルもCGバンクカットは変身時と浄化時の二つとなっている。
星をイメージした様な黄色とオレンジ色を基調としたトゥインクルのデザインは三人の中で一番発色が良く、それは3DCGモデルにも表れている。しかし、この発色の良さがCG特有のエッジの立った質感をより強調してしまっているのでそれによる違和感も所々出てしまっている。
ドレスアップキー差込時のアップのカットを見てもらうと分かりやすいと思うが、前髪の部分には影の処理が行われていない。手書きの部分を見てみると影の無いカットもあるがバンクカットでは基本的に影が書かれている。前髪に隠れた額の部分も含めて影の処理が省かれているという事はこれらは意図的に行われているのだろうが、そのせいで特にアップの時は前髪の質感に違和感を覚えてしまう。具体的にはハイライトによる光沢の強さと影が省かれた事による均一な色合いと発色の良さ、これらによって何だか前髪というよりワカメがくっ付いている様に見えてしまうのである。
左が手書き、右が3DCGモデル。
こうして比べてみると発色の良いトゥインクルは輪郭線の違和感が一番強い。他の手書きのカットとも比較してみたのだがマーメイド同様鼻の線が強いので違和感が大きい。前述した様に前髪以外は手書きと同じ様に影が入っているので前髪の影の処理は意図的なのだろう。
ただ、下のGIFを見てみると分かるのだが、違和感があるのはアップの時だけで引き画になっていくにつれセルルック感が増しているのでフローラ、マーメイド同様やはり問題なのは極端なアップの時だけなのだろう。
このカットではズームが4段階に分かれており、3回目の両腕を広げるカットからはモーションのタイミング含めてかなり手書きに近い印象を受ける。最初のアップは露骨に3DCGだと分かってしまうが後の部分は良く出来ていると思う。っていうか個人的にはかなり良い線いってると思うんだけど。
変身後のアップから引き画へズームアウト。
これは他のモデルにも共通するのだが3DCGモデルの場合手書きでは先ずありえないような口の形状になる事が多くこれはアップのカットによく見られるが、上の画像からも分かるように鼻とのバランスを考えると手書きでこういった書き方は先ず行われないので一見して3DCGだと分かってしまう。ここの引き画は良く出来ておりドレスの質感も含めて3DCGの違和感も少ない。
細かい点になるが、この直前の着地するカットではドレス部分含めてブラー処理がかかっており、カットとしては一瞬なのだがこれが良い手書き感を出している。3DCGモデルによるモーションはキーフレームの様に等速運動的な動きによりよくある処理落ちしたようなカクついた映像になってしまいがちなのだが、こういったブラー処理は使いようによっては手書き感に寄与するのだろう(その分手間もかかるのだろうが)。
「キラキラ、星よ!」のカット。
先に挙げた画像もそうだが、顔に固さは残るもののやはりコレくらいの距離であれば3DCGとしての違和感はかなり少ない。
「トゥインクルハミング!」でのアップ。
この必殺技発動時の一連の部分に共通する事なのだが兎に角「目が死んでる」。ツリ目のデザインによって幾分かマシにはなっているのだが、瞬きすらしない事により目の動きが全く無くなっているので口から上が終始完全に固まってしまっている。そのため必殺技を叫んでいる台詞と顔のモーションが乖離している。上の画像はあくまで一番違和感が少ないカットなので動画としてみるとここは露骨に3DCGの質感が出てしまっている。フローラ、マーメイド同様顔のアップ時は均一な輪郭線と発色の良さが違和感の大きな要因だろう。
「ごきげんよう」のカット。
ここはセルルックがどうのというよりもモーションの異様ながたつきが気になる。手付けで行っているのかキーフレームで行っているのかは分からないが、仮に手付けだったとしてこれでOKが出てしまうというのはちょっと腑に落ちない。このカットのモデルの質感自体は悪くないのだがモーションのせいで違和感が噴出してしまっている。
繰り返すがフローラやマーメイドにも共通する様に顔のアップ時は3DCGの質感が露骨に出てしまっているのでセルルックとしては総じてよろしくない。そしてこれも三人に共通するがバストアップ程度の距離になると違和感はかなり低減しカットによっては手書きにかなり近くなったりする。手書きの場合アップの程度によって書き込みがコントロール出来るのだが3DCGの場合はそう簡単にはいかない。カメラの動きに制限の無いのが3DCGの最大の利点ではあるが、それ故にカメラの距離に応じてフレキシブルにディテールを変化させるのが難しいのも3DCG特有の難点である。特に顔のアップ時は総じて情報量の少ないのっぺりとした質感になりがちである。これは他作品にも言える事だが。
今回キュアフローラ、マーメイド、トゥインクルの三人をそれぞれ比較してみたが三人の中ではモーションも含めてトゥインクルの出来が一番良かったように思える。初見時でも感心してしまう部分が幾つか見られた位でまだまだ固さは残るものの三番目というだけあって他の二人よりも良く出来ている。勿論手放しで、というワケではないが。
本編ではドレスアップキーが12個存在する事が明言されたのでそれを集める事が当面の主たる課題となるのだろう。という事はモードエレガント以外にも変身パターンが多数存在しそれに合わせてCGバンクカットも増えていくという事になる。その場合、おそらく今あるモードエレガントのモーションを基本にドレスだけを変更する形になるのだろうが、もしかしたらそれぞれに固有の新規のCGバンクカットが用意されるのかもしれない。いずれにせよ浄化時のモーションは今後も変わらないと思うのでそうなるとちょっと残念ではある。まあ、先はまだまだ長いのでこれからに期待するとしよう。
アニメCG関連過去記事
1/5 フレッシュプリキュア! のEDダンスについて
2/5 ハートキャッチプリキュア!のEDダンスについて
3/5 スイートプリキュア♪のEDダンスについて
4/5 スマイルプリキュア! のEDダンスについて
5/5 ドキドキ!プリキュアのEDダンスについて
6/5 ハピネスチャージプリキュア!のEDダンスについて
7/5 補足
・Go!プリンセスプリキュアのEDダンスについて
ラブライブ!
・「ラブライブ!」ライブシーンの3DCGの演出について
・「ラブライブ!」2期 第6話挿入歌「Dancing stars on me!」の演出。
アイカツ!
・「アイカツ!」第71話 霧矢あおいの「prism spiral」にみる振り付け。
・「アイカツ!」アニメ3期における3DCGライブ演出の展望。
・「アイカツ!」第103話 氷上スミレの「タルト・タタン」での3DCGライブ演出。
・「アイカツ!」アニメ3期の3DCGモデルに見られる変化
・『アイカツ!』第118話 藤原みやびの「薄紅デイトリッパー」における3DCGライブ演出。
プリパラ
・「プリパラ」における3DCGのライブステージ演出。part.1
・「プリパラ」第22話「HAPPYぱLUCKY」におけるライブステージ演出。
・アイドルアニメのCGライブパートランキング 2014
・[キュアマーメイド編]
キュアマーメイド同様、トゥインクルもCGバンクカットは変身時と浄化時の二つとなっている。
星をイメージした様な黄色とオレンジ色を基調としたトゥインクルのデザインは三人の中で一番発色が良く、それは3DCGモデルにも表れている。しかし、この発色の良さがCG特有のエッジの立った質感をより強調してしまっているのでそれによる違和感も所々出てしまっている。
ドレスアップキー差込時のアップのカットを見てもらうと分かりやすいと思うが、前髪の部分には影の処理が行われていない。手書きの部分を見てみると影の無いカットもあるがバンクカットでは基本的に影が書かれている。前髪に隠れた額の部分も含めて影の処理が省かれているという事はこれらは意図的に行われているのだろうが、そのせいで特にアップの時は前髪の質感に違和感を覚えてしまう。具体的にはハイライトによる光沢の強さと影が省かれた事による均一な色合いと発色の良さ、これらによって何だか前髪というよりワカメがくっ付いている様に見えてしまうのである。
左が手書き、右が3DCGモデル。
こうして比べてみると発色の良いトゥインクルは輪郭線の違和感が一番強い。他の手書きのカットとも比較してみたのだがマーメイド同様鼻の線が強いので違和感が大きい。前述した様に前髪以外は手書きと同じ様に影が入っているので前髪の影の処理は意図的なのだろう。
ただ、下のGIFを見てみると分かるのだが、違和感があるのはアップの時だけで引き画になっていくにつれセルルック感が増しているのでフローラ、マーメイド同様やはり問題なのは極端なアップの時だけなのだろう。
このカットではズームが4段階に分かれており、3回目の両腕を広げるカットからはモーションのタイミング含めてかなり手書きに近い印象を受ける。最初のアップは露骨に3DCGだと分かってしまうが後の部分は良く出来ていると思う。っていうか個人的にはかなり良い線いってると思うんだけど。
変身後のアップから引き画へズームアウト。
これは他のモデルにも共通するのだが3DCGモデルの場合手書きでは先ずありえないような口の形状になる事が多くこれはアップのカットによく見られるが、上の画像からも分かるように鼻とのバランスを考えると手書きでこういった書き方は先ず行われないので一見して3DCGだと分かってしまう。ここの引き画は良く出来ておりドレスの質感も含めて3DCGの違和感も少ない。
細かい点になるが、この直前の着地するカットではドレス部分含めてブラー処理がかかっており、カットとしては一瞬なのだがこれが良い手書き感を出している。3DCGモデルによるモーションはキーフレームの様に等速運動的な動きによりよくある処理落ちしたようなカクついた映像になってしまいがちなのだが、こういったブラー処理は使いようによっては手書き感に寄与するのだろう(その分手間もかかるのだろうが)。
「キラキラ、星よ!」のカット。
先に挙げた画像もそうだが、顔に固さは残るもののやはりコレくらいの距離であれば3DCGとしての違和感はかなり少ない。
「トゥインクルハミング!」でのアップ。
この必殺技発動時の一連の部分に共通する事なのだが兎に角「目が死んでる」。ツリ目のデザインによって幾分かマシにはなっているのだが、瞬きすらしない事により目の動きが全く無くなっているので口から上が終始完全に固まってしまっている。そのため必殺技を叫んでいる台詞と顔のモーションが乖離している。上の画像はあくまで一番違和感が少ないカットなので動画としてみるとここは露骨に3DCGの質感が出てしまっている。フローラ、マーメイド同様顔のアップ時は均一な輪郭線と発色の良さが違和感の大きな要因だろう。
「ごきげんよう」のカット。
ここはセルルックがどうのというよりもモーションの異様ながたつきが気になる。手付けで行っているのかキーフレームで行っているのかは分からないが、仮に手付けだったとしてこれでOKが出てしまうというのはちょっと腑に落ちない。このカットのモデルの質感自体は悪くないのだがモーションのせいで違和感が噴出してしまっている。
繰り返すがフローラやマーメイドにも共通する様に顔のアップ時は3DCGの質感が露骨に出てしまっているのでセルルックとしては総じてよろしくない。そしてこれも三人に共通するがバストアップ程度の距離になると違和感はかなり低減しカットによっては手書きにかなり近くなったりする。手書きの場合アップの程度によって書き込みがコントロール出来るのだが3DCGの場合はそう簡単にはいかない。カメラの動きに制限の無いのが3DCGの最大の利点ではあるが、それ故にカメラの距離に応じてフレキシブルにディテールを変化させるのが難しいのも3DCG特有の難点である。特に顔のアップ時は総じて情報量の少ないのっぺりとした質感になりがちである。これは他作品にも言える事だが。
今回キュアフローラ、マーメイド、トゥインクルの三人をそれぞれ比較してみたが三人の中ではモーションも含めてトゥインクルの出来が一番良かったように思える。初見時でも感心してしまう部分が幾つか見られた位でまだまだ固さは残るものの三番目というだけあって他の二人よりも良く出来ている。勿論手放しで、というワケではないが。
本編ではドレスアップキーが12個存在する事が明言されたのでそれを集める事が当面の主たる課題となるのだろう。という事はモードエレガント以外にも変身パターンが多数存在しそれに合わせてCGバンクカットも増えていくという事になる。その場合、おそらく今あるモードエレガントのモーションを基本にドレスだけを変更する形になるのだろうが、もしかしたらそれぞれに固有の新規のCGバンクカットが用意されるのかもしれない。いずれにせよ浄化時のモーションは今後も変わらないと思うのでそうなるとちょっと残念ではある。まあ、先はまだまだ長いのでこれからに期待するとしよう。
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5/5 ドキドキ!プリキュアのEDダンスについて
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7/5 補足
・Go!プリンセスプリキュアのEDダンスについて
ラブライブ!
・「ラブライブ!」ライブシーンの3DCGの演出について
・「ラブライブ!」2期 第6話挿入歌「Dancing stars on me!」の演出。
アイカツ!
・「アイカツ!」第71話 霧矢あおいの「prism spiral」にみる振り付け。
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・「プリパラ」における3DCGのライブステージ演出。part.1
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