「インターステラー」とIMAXシアターのこれから [映画]
11月5日のIMAXシアターでの公開に合わせ本作の詳細が徐々に明らかになっている。
久しぶりに本作のTechnical Specificationsを見てみたら何と撮影は35mmとIMAXのみという何とも漢らしい仕様に。IMAXシーンは「ライジング」よりも若干少ない「66分」となったらしいが恐らく冒頭と中盤、そしてクライマックスでの全編IMAXシーンという感じだろうか。本作は情報統制がされているらしいが私の場合は予告編すら観ていないので一体どんな映画になるのか非常に楽しみである。
因みに公式サイトに上映形態の違いについて詳細が書かれているのだが何というか本気過ぎる。
INTERSTELLAR TECHNICAL SPECIFICATIONS
さて、imdbのTechnical Specificationsをチェックしている人はお気づきだろうが今現在IMAXシアターでの15/70mmによるフィルム上映は殆ど行われなくなっている。確認できただけでも今年に入って15/70mmにプリントされて上映された作品は今のところゼロである。「インターステラー」と「ホビット第3章」、今年IMAXシアターでフィルム上映される作品はこの恐らくこの二作品だけになる。夏に公開されたようなブロックバスター大作は軒並みデジタル上映である。
今年の春頃だったか、imdbを見ていたらいつもならば15/70で上映されているような大作が殆どデジタル上映になっており、調べてみるとフィルム上映作品は一つも無かった。そしてシドニーのIMAXページを見てみると何とLGのロゴが消えているではないか。物凄く嫌な予感がしたのでさらに色々と調べてみたら、シドニーでは今年に入ってから新しいIMAXデジタルの映写機を導入したらしく、それに伴ってフィルムとデジタルの置き換えが始まったとの事。
・DARLING HARBOUR INSTALLS A NEW TWIN-DIGITAL IMAX 3D PROJECTION SYSTEM
そして極めつけがコレである。
・Biggest screen gets maximum upgrade
・The End of IMAX 70mm
15/70mmでの上映にはコストがかかる。それはそうだ。映画一本のプリント代が8万ドルかかるフィルムに対してハードディスク一台で済んでしまうデジタル上映には150ドルしかからない。フィルム消滅の流れを食い止めるという行動を起こさなければならないほどデジタル化への移行が進んでいる今現在の映画界。ノーランやJJなどがフィルム撮影を積極的に行っている反面、撮影は出来てもフィルムでの上映は出来ない流れが決定的になりかけている。いや、ここまでくればもう決定的なのだろう。2015年には完全にデジタルに移行するとあるが、という事は「インターステラー」と「ホビット第3章」がこの長い映画史における最後の15/70mm上映作品という事になる。IMAX DMRのリストを見てもプロダクションが完了しているような来年の前期公開作品でIMAX撮影作品は無く、唯一確認できるのがJJによる「スターウォーズEP7」なので2015年は本当にIMAXデジタルの年になりそうである。
シドニーでは劇映画作品の他にドキュメンタリー作品を定期的に回しているのだが、デジタルへの移行に伴いそれらがどういった扱いを受けるかは分からない。プリントされているものに関してはそのまま15/70で上映されるのか。そもそもフィルムの映写機自体が完全に撤去されてしまうのか。その場合、既存の作品はIMAX DMRの工程を経た後デジタルデータとしてハードディスクに収納されるのだろう。
果たしてその場合、
「ダークナイト」
「ダークナイト ライジング」
「ミッションインポッシブル:ゴーストプロトコル」
「ハンガーゲーム2」
「スタートレック イントゥダークネス」
これらIMAX撮影作品のフィルムは最終的にどうなってしまうのだろうか。考えたくも無いが。
2015年あるいはその翌年にはおそらくシドニーのスクリーンの大きさにも耐えられ、かつ1.43:1のアス比にも対応したIMAXデジタルの映写機が登場するのかも知れない。品質的にもフィルム上映と同等のものが提供されるのかもしれない。2年後3年後には15/70mmの上映も過去のモノとなってしまうのだろう。デジタル化の流れが不可避である以上仕方の無い話である。
IMAXシアターが存在しない日本には意味の無い話ではあるが、もし「インターステラー」公開時に海外へ行く予定がある人はこれを記念についでにIMAXシアターで観て来ては如何だろうか。15/70mmの時代に終焉を告げる最後のIMAX撮影のフィルム上映作品「インターステラー」。フィルムをリスペクトした男の作品が最後を飾ると言うのも中々出来た話だ。
なお、まぐれものさんのtwitterよると台北のIMAXスクリーンは結構大きいらしく、なおかつ安価で行けるらしい。個人的には世界最大のIMAXシアターであるシドニーも断然オススメなのだが。
「往復26000円かけて大阪までライブを見に行く」→「へえ〜いいねぇ」
「往復23500円かけて台北までIMAX70mmのインターステラーを観に行く」→「キチガイ」
なぜなのか
— まぐれもの (@maGuremono) 2014, 10月 22
「インターステラー」がたったの往復23500円で観に行ける!安い!
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