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The Art of Frozen アナと雪の女王 [本]

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ディズニー・ピクサー作品のアートブックの日本語版は大抵映画の公開に合わせて発売されるものであり、公開後に遅れて発売されるという事は基本的にはありえない。3月18日の日本公開から二ヶ月が経過した今日、興行収入が予想を遥かに超える規模になっていながら関連書籍だけは全く持って音沙汰が無く、本著の翻訳される可能性については最早期待するだけ無駄だと判断したので洋書版を購入してしまった。絵本のようなページ数の少なく対象年齢の低い書籍なら兎も角、本著のような洋書のアートブックというのはどれも値段が高く文章量も多いので購入の敷居は結構高い。稀ではあるが洋書を購入した矢先に翻訳版の発売が決定する場合もあるので、大抵は日を置いてから購入するようにしている。今回は公開から日が経っているので日本語版が発売される可能性がかなり低いと踏んだ上での判断なのだが正直これだけ成功した作品なので可能性はゼロとも言い切れない。まあ、出たら出たで買うのだが。

翻訳の可能性の低さについてもう一つある。これはあまり言いたくないのだが先日紹介した「アナと雪の女王 ビジュアルガイド」、実はアレ本著「The Art of Frozen」の抜粋本なのである。キャラクター毎の美術設定、背景美術の設定・解説、絵コンテ等掲載されているイラストの9割は本著の内容を部分的に抜き出して短めに再構成したもので、それにストーリー説明とキャストや製作スタッフのインタビューを足しただけなのでイラスト部分については基本的には本著と内容は全く同じである。そしてイラストの大きさは当然ビジュアルガイドの方が小さい。

おそらくこれは本著をそのまま翻訳して結構な値段で販売するよりもビジュアルガイドとしてそれなりの内容かつ手頃な価格で販売したほうが良いという判断からなのだろうが、問題はディズニーピクサーの「The Art of」シリーズはスタジオジブリが販売しており、アナと雪の女王のビジュアルガイドは角川から出版されているという事である。こういったアート本の権利関係というのがどうなっているかは全く分からないのだが、素人的に考えても抜粋本とはいえ公式にビジュアルガイドが販売されていながら大元である本著も翻訳されて出版されるというのはちょっと考えられない。ただ、前述した様に3DCGアニメ史上稀に見る成功を収めているので今後どうなるかは分からない。

さて、本著の内容については最早説明する必要が無いように思えるが一応紹介しておこう。「The Art of Frozen」と銘打っているだけあって内容は設定資料集となっている。アナ、エルサ、クリストフといった主要キャラの美術設定、コンセプトアートを基本にアレンデールの城や町並みとそれらを囲むフィヨルドの風景のデザイン、ノルウェーの伝統的な装飾画「ローズマリング」、雪に覆われた山々と幾何学的なデザインが印象的なエルサの氷の宮殿など製作スタッフのコメントを交えながら余すところ無くイラストが掲載されている。

特に、元々悪役として設定されていたエルサについては現在のデザインになるまでのコンセプトの変遷が分かるように幾つも設定画が載っているので面白い。あと、これはビジュアルガイドの時にも言っていたが、キャラクターデザインの完成系を担当していたBrittney Leeのイラストが本当に素晴らしい。小さく掲載されていたビジュアルガイドとは違い、23cmx 28cmの用紙を贅沢に使ったアナとエルサのイラストは見る度に溜め息が出てしまう。

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ハードカバーの全168ページフルカラーで洋書かつ結構な値段なので正直敷居は高い。簡易的ではあっても内容は基本的には同じなので先ずは日本版であるビジュアルガイドを試してみて、それでも満足出来ないようであれば本著を購入するのが良いだろう。

※8月25日現在、日本語訳版が発売決定。
左が英語版、右が日本語訳版。



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