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「Transistor」 ファーストインプレッション [PS4] [ゲーム]

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開発・販売 SupergiantGames
プラットフォーム PC・PS4

「Bastion」(2011年)で成功を収め、名のあるインディーズスタジオの一つとなった「SupergiantGames」による第二作目「Transistor」。高層ビルが立ち並ぶ都市「Cloudbank」を舞台に人気歌手である「Red」と意思を持った大剣「Transistor」、彼らを狙う組織「Camerata」によって紡がれるサイバーパンクSF。
Transistor_20140521191535.jpg物語はRedを庇って死んだ男に刺さった大剣Transistorから始まる。

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※画像は全て保存時にフルサイズ表示可能

クォータービューアクションRPGである前作「Bastion」のデザインをベースに制作された本作。剣やハンマー弓等の武器を基本としたオーソドックスなゼルダライクのアクションゲームだった「Bastion」とは異なり、本作では武器となる「Transistor」の能力を基本とし、「時間をコントロール」する能力によってRTS(リアルタイムストラテジー)の要素がゲームデザインとして組み込まれている。
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FUNCTIONSに一覧として並んでいるアイコンがTransistorの能力である。近接、遠距離、爆発、回避、誘惑など攻撃から支援まで幅広い能力があり、上記は序盤での状態だが能力はまだまだ増えていく。左上のメーターMEMが装備できる能力のスロットとなる。能力は四つのボタンそれぞれに割り当てられ、余った能力はアップグレード用に基本となる四つの能力にそれぞれ二つまで装着することが出来る。下の画像でのDETAILSは爆発系のSparkに近接のCrashと地雷のLordを組み合わせたもので名前の下にそれぞれ効果が記載されている。この場合、近接の素早さと地雷の爆発範囲が加算されることになる。
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このように能力毎にスロットがあるわけなのだが、つまりは能力の数がそのままカスタマイズの数となっているのである。そしてこのカスタマイズを考えるのが結構楽しい。能力をいくつ装備するのか、メインの能力を何にするのか、何を優先的にアップグレードするのか。どの能力も一長一短があり敵の行動パターンや相性なども考慮するとベストな選択というのが無い為、前作「Bastion」にあった脳筋アクション的なアプローチでは通用しない、正にRTS的な理詰めの面白さが生まれている。

そして本作におけるRTS要素の要であるTransistorの能力についてだが、前述した通り本作では時間をコントロールすることが可能となる。下の画像の上部にある緑のメーターを上限とし、Transistorによって静止した時間の中でプレーヤーはその行動を選択していく。メーターの左の人型のマークが移動、SPARK、BREACHなどが選択した能力で能力毎に設定されたスロットとメーターの残量で戦術を立てていく事になる。要はFPSにRPG要素を取り入れた「Fallout3」と同じだと考えてくれれば良い。ただ本作の場合、この能力を使うとメーターが完全に回復するまで一切の攻撃が出来ないという制約があるためいつどこで使うかという事も考えなければならない。メーター自体は5秒程度で回復するのだが混戦の場合は意外と使いどころが難しい。そのため敵の種類、行動パターンなどを考えると戦術と戦略を同時に考えなければならないという正にRTS的な状態になってくる。
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未だ四時間程度しかプレイしていないのだが最初のボスを倒した辺りから敵の数や種類も増えてくるのでなかなかやり応えがある。「Bastion」がアクション一辺倒だったのとRTSが最近ご無沙汰だったので新鮮さと相俟って結構面白い戦闘デザインになっていると思う。

戦闘以外にも相変わらず美術のデザインセンスが素晴らしく闇夜の街の背景に映える主人公Redの鮮やかな髪、剣というアナログな武器の刀身に刻まれたデジタルな紋様と目を思わせる紅い丸が特徴的なTransistor、そして敵組織のCamerataのキャラクターデザインなど。特に紅一点であるSybilは敵にしておくのが勿体無い程。余談だが意思を持った喋る大剣というと安井健太郎著「ラグナロク」に出てくるリロイの相棒ラグナロクを思い出す。

前作Bastionがセールス的にも大成功したにも関わらず結局今の今までローカライズがされる事は無かったので、本作も日本版が配信される事については全く期待していないのだが、この美しきアクションRPGが日本で日の目を見ないままスルーされるのは流石に可哀想なので、私のようにデザインの良さから興味を持ったような人にもなかなかオススメの作品だとは言っておきたい。
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