SSブログ

「セイクリッドセブン」 BD vol.1 [アニメ]

51gPPxP1-ZL.jpg
安かったので一巻だけ購入。以前から存在自体は認識してはいたのだが、そのあまりのデザインの古臭さに若干引いてしまい完全に視聴をスルーしていた本作。youtubeで作画関連の動画を物色していた時、本作の第一話の戦闘シーンがピックアップされておりそれが結構なクオリティだったので今回購入に踏み切ったというワケなのだが・・・。

まあ、結論から言えば悪くない。寧ろ良い。
突っ込み所は多々あるが、とりあえず第一話のクオリティがかなり高い。グレインをのせているのか何なのか、全体に何らかのフィルターがかけられているためシャープさを残しながら質感が表現できており、良くあるベタ塗り特有の画面の安っぽさが殆ど見られない。最近のTVアニメ作品はその殆どが720pで製作されているらしいが、作画の綺麗さで言えば本作は結構なモノなのではないかと思う。第一話のみに関してだが。

ヒロインのキャラクターデザインを見たときに強い既視感を覚えたのだが、なるほどキャラクター原案はあの「いのまたむつみ」であった。しかし、強い既視感をもってしてもそれがいのまたデザインだったという事に気がつかなかったのは、おそらくキャラクター原案をデザインに落とし込んだ段階でいのまたむつみの個性がかなり薄くなってしまっていたからなのだろうが、それにしてもヒロインのルリ以外はいのまたデザインだと言われても全く分からない。なので、いのまたデザインにおけるその特性、個性、特徴とは何なのかとあれこれ考えていたのだが、それは恐らく「目」なのではないか。というか寧ろ「目」以外に特筆すべき固有性はないように思える。

というのも、私が本作において強い既視感を覚えたのはルリの目のデザインを見たからなのだが、「キャラクターデザインに落とし込む」というアニメーターの個性が絵柄に出やすい作業において、いのまたむつみの絵における特徴の一つである「淡いタッチ」というアニメでは真っ先に殺されてしまう要素以外でのいのまたむつみらしさを挙げるならば、「まん丸お目目に長まつ毛」以外考えられないからである。と書いてしまうと、いのまたデザインに対して否定的に思われてしまいそうなのだが、実はそうでもない。本作を見た人なら分かっていると思うがいのまたデザインにおけるあの特徴的な「目」の形状はアニメとの愛称が抜群に良い。

どういうことか。
目は口ほどにものを言うとはいうが、前述した「まん丸お目目に長まつ毛」というのはそれだけで画面が否応なしに映えてしまうのである。アニメのキャラクターデザインというのは基本的に顔全体に対して目の割合が大きいものとなるため、画面にキャラクターが映っている時に見る側の視線が行きやすいのは「目」となる。そこにおいて「まん丸お目目に長まつ毛」というデザインはデカくて丸い上に大量かつ長いまつげがついているため、ある種画面内における「異物」と化すのである。そのため、まあ服装や髪型の奇抜さという点も大きく関係してはいるが、ルリが画面に登場するとそれだけで映えるのである。これはいのまたデザインの勝利と言える(勝ち負けの話ではないが)。
1j.jpgtv1309628129900z.jpgep200882z.jpgmaru1310233619658z.jpg

話は変わるが第二話の「ハートブルー」的展開において代替案を考え付いたのでとりあえず書いてみる。

本作は全12話の1クール構成であり、主人公が巻き込まれ型かつ過去の因縁を持っているとなると、自らの存在に否定的であるという性格上成長描写はコンスタントに挿入するべきである。そして成長描写のものさしとして比較的分かりやすい行動はというと、それすなわち選択・決断である。ならばモンスターの登場という非日常空間において、場の支配権は基本的に主人公が有している以上「何かを選択する」という場面は生み出しやすい事になる。なればこそあの「ハートブルー」的展開においては主人公は自らの決断の元、空へと舞う必要があったと言える。

ではどうすればよかったのか。
当該場面においてルリはシートベルトを着用して座席に座って膝の上に宝石箱を置いており、当然中には主人公の変身に必要な宝石が入っている。そして輸送機内という隔離された場にいる以上、敵に対する有効な手立てはルリの宝石のみとなる。ならば、敵の攻撃を受けて輸送機が回避行動をとった時に思わず宝石箱を落としてしまい、それが空けていたドアから外へ飛んでいってしまえば敵への対抗手段は失われる。となるとルリの性格上回収のためにパラシュートをつけずに単身で飛び出してしまうことは明白である。そして、この段階で主人公には選択・決断の時が訪れ、その前段階で「パラシュートをつけてダイブする」という作戦を拒否していた事に対する返答をすることにもなる。さらにはここでパラシュートをつけずにルリを助けに行くことによって二人の間の信頼の度合いも表現することができる。もう一つ付け加えるならそうすることによって完全に「ハートブルー」を模した状態にもなるのである。

まあ、長々と書いたが要は主人公が自らパラシュート無しで飛び出したほうが展開として燃えるのではないか、という事である。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:アニメ

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。